燃える闘魂+東スポの「壁」現る――。プロレス界のスーパースター、アントニオ猪木さんが2022年10月に79歳で死去してから、早くも3年を迎えようとしている。東京・京王百貨店新宿店では、14日から21日まで「ANTONIO INOKI EXPO」を開催。目玉は「〝巨大〟東スポの壁」だ。

 2023年から始まった「猪木展」は全国各地で開催され、根強い猪木人気を示している。昭和100年の今年は「アントニオ猪木デビュー65周年記念イベント」として「INOKI EXPO」に。目を引くのが「東京スポーツの壁~昭和とアントニオ猪木と東スポと~」と題された企画だ。

 猪木さんが1面を飾った東スポ紙面が縦2メートル、横15メートルの巨大な壁にパネル形式で掲示された。実物の東スポ1面も、後の新日本プロレス旗揚げにつながる1971年12月30日付の「猪木〝第三勢力〟旗上げ?」、先月24日に急死したハルク・ホーガンさんのアックスボンバーで失神KOとなり、舌を出してマットに横たわる猪木さんを報じた83年6月4日付の「猪木惨敗入院の詳報」など、プロレス史においても貴重なものだ。

 最も古い1面は65年9月16日付で、米国武者修行時代の猪木さんがテキサス州バーモントで〝魔王〟ザ・デストロイヤーと一騎打ちした「血戦」を詳報。22歳の若武者は「米マット界超一流の強豪」だったデストロイヤーと引き分け、魔王から「あと1年か2年したらオレは勝てないかもしれない」の賛辞を引き出した。ちなみに見出しは「電光の新殺法 猪木、魔王をKO」で、東スポの価格は「10円」だった。

 京王百貨店とイベントを共催する猪木元気工場(IGF)の宇田川強取締役は、「東スポさんはアントニオ猪木の広報誌でしたから(笑い)。見出しはセンセーショナルで、今の時代ではなかなか見ることができないもの。昭和100年を振り返って、今の時代の人にも見てもらいたいし、当時見た人には懐かしく見ていただきたい」と、企画の意図を明かす。

 紙面は各方面に声をかけて収集。ファンからも借り、インターネットで購入したものもあるといい、貴重な紙面が100点以上集まった。「京都プロレス美術館の館長の自宅で、新聞を集めてデザインをしていた。それが面白いなと」と宇田川氏は話す。今年は猪木さんの懐刀だった〝過激な仕掛け人〟新間寿さんと〝平成の仕掛け人〟永島勝司さん、ホーガンさんが続いて死去したことも、背中を押したという。

 パネルの中には、猪木さんの妻だった女優・倍賞美津子をインタビューした記事もある。「昭和」が詰まった「〝巨大〟東スポの壁」は、プロレスファン必見の展示だ。

【西村修さんのガウンも展示】「INOKI EXPO」では、猪木さんの弟子で今年2月28日に死去した西村修さん(享年53)のガウンが、追悼展示される。IGFの宇田川氏によると、遺族から貸し出されたものだという。西村さんが着用した「無我」のガウンも展示。