マリナーズは9日(日本時間10日)、アジア選手として史上初めて米国野球殿堂入りを果たしたイチロー氏(51=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)の背番号51が、永久欠番となったことを記念する式典を本拠地シアトルのT―モバイル・パークで行った。報道陣に応対したダン・ウィルソン監督(56)の会見も試合前にもかかわらずイチロー氏で〝一色〟。主な一問一答は以下の通り。

 ――イチロー氏の永久欠番セレモニーの日

 ウィルソン監督 昨夜も(通訳の)アレン・ターナーがファーストピッチを投げて感慨深い瞬間があったね。アレンと(イチロー氏)は本当に長い付き合いで、彼と家族がグラウンドに立っているのを見られたのはすごくいい瞬間だった。たたえられている姿を見てうれしかったよ。今日はもちろん、イチローにとって大きくて特別な日。背番号が永久欠番になるなんて本当にすごいことだし、試合前のセレモニーで選手としても人としても素晴らしい彼がたたえられる姿を見るのが楽しみだね。クーパーズタウン(殿堂入りセレモニー)もあったが、それを地元のファンの前で行うのは格別だ。イチローに対しての皆の反応を見るのが楽しみだよ。

 ――永久欠番となっているエドガー、グリフィー、そしてイチロー氏。全員と一緒にプレーした中で、イチロー氏はどんな感じだったか

 ウィルソン監督 現役の頃、シアトルで多くの偉大な選手と一緒にプレーできたのは本当に幸運だったとよく言っていた。偉大な選手は周りを引き上げる存在で、自分も多くの面で恩恵を受けたよ。選手としてだけじゃなく、人としても学びがあったし、彼らは常に周囲に刺激を与えてくれた。彼ら全員が本当にそうだった。だからイチローの番号がその仲間と並んで掲げられるのはふさわしいことだと思う。

 ――イチロー氏と初めて会った時は

 ウィルソン監督 とにかくたくさんの「知らないこと」が多かった。最初に会ったのはスプリングトレーニングだったと思う。あの頃は彼の周りに常にすごい数の報道陣がいて、正直ちょっと気の毒に感じたくらいだ。でも、そんな状況でも彼はちゃんと結果を出し続けた。初めて会った時から、彼のルーティンや試合への向き合い方、勤勉さはすごく印象的で、とても明確なものだった。

 ――「これはすごい」と思ったプレーや練習は

 ウィルソン監督 昨日もちょっと話したけど、打撃練習で好きな時に好きな方向へ飛ばせる力があった。スイングのパワーもすごかったけど、特に印象的だったのはバットコントロールだね。あのスイングはマネしようとしてもできないと思う。全方向に打ち分けられて、一塁に向かいながらでも打てる。芯で捉えて、センター返しも流し打ちも自由自在。あの能力は本当にクレイジーだった。打撃だけじゃなく守備もすごくて、肩の強さや打球への反応など、外野手に求められるすべてを持っていた。本当に頭のてっぺんからつま先まで完成された選手だったよ。

 ――選手たちも楽しみにしている

 ウィルソン監督 そうだね、素晴らしいことだと思う。イチはこのゲームにすごく還元してくれているし、ホームでは毎日チームのそばにいる。選手たちも彼が正当に評価されるのを楽しみにしている。クーパーズタウンももちろんすごいけど、やっぱり地元ファンの前でできるのを皆とても楽しみにしていると思う。

 ――ユニホームを着て監督として迎えることは

 ウィルソン監督 全然違うね。違う種類のユニホームだけど(笑い)。今週は昔の仲間たちと会う機会が多くてすごく居心地がいい。野球で築いた人間関係って家族みたいで、すぐに当時の感覚に戻れるんだ。この1週間、そんな仲間たちとあいさつしたり語り合う時間がたくさんあり、そういう居心地のいい仲間たちがいるからこそ、いいセレモニーができる。でも、その後は仕事に戻って試合だ。

 ――選手たちに何を感じ取ってほしい

 ウィルソン監督 イチは多くの選手に影響を与えている。彼のプロフェッショナルとしての姿勢を間近で見られるのは本当に貴重なこと。選手としても見られたけど、コーチになった今も毎日フィールドで見ることができる。体形もキープしていて、正直まだ試合でヒットを打てると思うよ。それくらい野球を愛してるし、人生をささげてきた。それを感じ取ってほしいね。