夢の170キロへ――。ドジャース・大谷翔平投手(31)が二刀流の完全復活へ進化を続けている。右ヒジに2度目の手術を受けたにもかかわらず、投手復帰後にMLBでの自己最高球速を「101.7マイル(約163.7キロ)」まで更新した。球速を競うスポーツではないものの、何でもやってしまいそうな大谷だけに大台を突破する可能性はあるのか。同僚やライバルチームの選手たちが打ち明けた本音とは…。

 大谷は6日(日本時間7日)に本拠地ロサンゼルスで行われたカージナルス戦で、復帰後最長となる4回を1失点。8度目の先発登板では8三振を奪う好投で最速は101.1マイル(約162.7キロ)、直球の平均球速は98.マイル(約159.2キロ)だった。

 その剛腕が進化を見せたのが復帰3戦目となった6月28日(同29日)のロイヤルズ戦。リハビリ過程にもかかわらず自身の最高球速をはじき出した。もちろん、投手として最大の使命は相手を抑えること。大谷自身も「(球速を)出しにはいっていないので」と話していたが、本気で出力を全開にすればどこまで球速は上がるのか。

 2008年以降に解析ツール「スタットキャスト」が計測した記録では、アロルディス・チャプマン投手(37=レッドソックス)が10年にマークした「105.8マイル(約170.3キロ)」が最速とされる。
 大谷の170キロの現実味についてドジャースで同僚の外野手、パヘスに聞くと「ノー」と即答し「難しすぎると思う」と首を横に振った。ところが…。普段から理解を超えたプレーを目の当たりにしているとあって、ほとんどの選手たちが実現可能と考えている。

 サイ・ヤング賞に2度輝いた先発左腕のスネルは「彼ならできると思う。彼のボールは自然に、スムーズに出てくる」と断言。救援陣も同様の見解だ。鉄腕・ベシアが「彼はいつも人の予想を超えてくるから、もしかしたらいけるかもね。実現したらめちゃくちゃかっこいいよね。(170キロは)もう別世界だよ」と期待すれば、左腕のドライヤーも「僕は彼の可能性を疑うことは一生しない。やろうと思えば何でもできる人。僕はただ毎日見ていてワクワクしている。(170キロは)いつか出すと思う」と胸を躍らせた。

 また、右腕のカスペリアスは「彼の肩がもっと仕上がって、プレーオフのアドレナリンが加わったら…。もしかしたら見ることになるかも」との条件付きだったが、コペックは大谷が170キロを“封印”しているだけとみている。

「本人が出したければ、たぶん出せると思う。でも、彼は球速を追ったことはないんじゃないかな。才能と身体能力が類いまれで、やろうと思えば何でもできるから、速さを狙ったら出せると思う。彼のフォームを見ていると、すごく整理されていてクリーン。『とにかく腕を振る』みたいな投げ方ではなく、ちゃんと『ピッチング』をしている。もし力いっぱい投げたらもっと出ると思うけど、制球力を犠牲にしたくないんだと思う」

 そして極めつきはツインズの守護神で、7月22日(同23日)の対戦で大谷に36号2ランを被弾したデュランだった。

「打撃をやめてブルペン(救援投手)に移動し、投球だけに集中したらもしかしたら105マイル、107マイルでも投げられるんじゃないかな」

 107マイルを換算すると、実に「172.2キロ」。大谷がリミッターを外した時、人類最速記録が誕生するかもしれない。