今夏のトレード市場で超目玉の1人とされてきた「怪物右腕」がチーム愛を訴えている。パイレーツのエース、ポール・スキーンズ投手(23)が、地元有力メディア「DKピッツバーグ・スポーツ」に対し、残留宣言とも受け取れる発言を口にし、大きな反響を呼んでいる。

 パイレーツは開幕から低迷が続き、後半戦を迎えても27日(日本時間28日)現在で借金18とナ・リーグ中地区最下位に沈む厳しい状況。今夏の移籍市場で売り手に回るパイレーツの中で孤軍奮闘し、リーグトップの防御率1.83と133投球回を誇る剛腕スキーンズには、ドジャースやヤンキース、パドレスなど複数の強豪球団から水面下で熱視線が送られていると報じられている。

 27日の本拠地ダイヤモンドバックス戦でスキーンズは6回99球、3安打無失点、9奪三振の圧巻投球を披露した直後、本人は同メディアに対して「僕はここで勝ちたい。移籍なんて考えていないよ」と迷うことなく力説したという。

 今季メジャー2年目のスキーンズは、23年のMLBドラフト全体1位でパイレーツ入り。球団史に残る逸材と称される右腕は「この街がいかに選手を愛してくれるか、身をもって感じている」とピッツバーグへの深い愛着も語っている。

 オフには仲間とペンシルバニア州を流れるアレゲニー川でボートに乗ったり、余暇を満喫している様子。また同じピッツバーグを本拠地とするNFLスティーラーズやNHLペンギンズのイベントや試合にも積極的に足を運ぶなど、その地域密着ぶりは地元でも話題と人気を集め、早々とスター選手に上りつめている。

 一方で、スキーンズは打線の援護不足や、編成面へのフラストレーションも口にしつつ「必要なのは補強だけじゃない。勝ち方を教えられる選手が必要」とチームの底上げにも言及。若手の成長に期待を寄せながら「ここパイレーツには未来がある」とクラブハウスを見渡しながら、揺るぎない信念を「DKピッツバーグ・スポーツ」に語っている。

 同メディアのインタビューで2年目の怪物右腕は終始笑顔を絶やさず、それでいて一言一言に重みを持たせていたという。勝利への執念と、パイレーツでの未来志向を貫く姿は、ファンの心を強く打ったに違いない。7月31日(同8月1日)のトレードデッドラインは刻一刻と迫っているものの、スキーンズの心はピッツバーグにあるようだ。