20日投開票の参院選では自公が参院の過半数を維持できる50議席を超えるかどうかや、参政党の躍進などが話題だ。

 一方で再生の道やチームみらいなど新興勢力の議席獲得も注目される。そんな中、苦しい戦いを強いられているのが精神科医の和田秀樹氏が率いる幸齢(こうれい)党だ。医療改革と手取りを増やす政策を訴えているのだが、どうしたというのか。

 和田氏が政党発足を会見で発表したのは6月のこと。当時、「『無駄な薬を減らしたい』『高齢者を元気にしたい』という2つの目標をもって政党を立ち上げました」と宣言。党名の通り、高齢者を意識した政策を訴えていた。

 幸齢党は今回の参院選では東京選挙区で立候補した医療ジャーナリストで薬剤師の吉沢恵理氏を推薦。毎日、和田氏が吉沢氏とともに都内各所でマイクを握っている。

 和田氏は取材に「苦しい戦い」を強調した。「たくさんの人が声をかけてくれるものの、私が政党を作ったのを知らなかったという声も多い。ユーチューブでは発信しているのですが、ユーチューブを見ていない高齢者がいるわけですよ。高齢者が見るテレビとか新聞とかに相手にされてこなかったという大きな問題がある。われわれが一番救いたい高齢者に声が届いていない」と嘆いた。

 どうして大手メディアは幸齢党を取り上げないのか。同党は薬を減らすことで健康保険料を下げ、そのことで手取りを増やそうと主張している。この点が製薬会社の不興を買っていると主張する。

「テレビは製薬会社の味方。製薬会社が『和田の党のことなんて報道するな』って明確に命令をしているとは思わないけど、忖度だと思う」と訴えた。

 それにしても薬を減らして大丈夫なのか。「私たちの政策の一番目が総合診療、つまり、消化器内科や循環器内科など臓器別診療でたくさんの薬を出されているから総合診療医を大量に育成することによって薬を減らす。いろんな科から出た薬を絞るというのが総合診療の仕事。総合診療を増やして、研究成果に基づいた医療をやることで、薬を減らすわけですから、かえって健康になると思っています」

 参院選では外国人政策が争点化している。参政党の日本人ファーストは物議をかもしているが、一方で支持を増やしているのも事実だ。

 和田氏は「われわれは医療改革を目指す党」としながらも、「ただ一つ知ってほしいのは今、外国人を追い出したら介護は成り立たない。現場には(外国人が)多い」と指摘。介護のために仕事をやめる介護離職が問題となるなかで「その状況を改善しないといけないのに外国人を追い出せと無責任なことを言っていられるのだろうか」と話した。

 幸齢党は高齢者を元気にする政策を並べている。年齢差別禁止法の制定に、高齢者を元気にするために性表現の規制緩和、AI技術の利用を訴えている。もっとも、日本社会は少子高齢化だけに高齢者の声が大きい「シルバー民主主義」だとの指摘もある。

 和田氏は「今回の選挙で明らかになると思いますが、シルバー民主主義はウソです。参政党に票を入れている人だって若い人でしょう。若い人が政治を動かしているんですよ。世界中で高齢者から(運転)免許を取り上げているのは日本だけです」と、高齢者を元気にする政策の必要性を強調した。