陸上男子100メートルで2024年パリ五輪代表のサニブラウン・ハキーム(26=東レ)は感謝を胸に国立の舞台に立つ。

 9月世界選手権の参加標準記録(10秒00)をすでに突破しており、日本選手権(4~6日、国立競技場)で3位以内に入れば代表に内定。しかし、3日に都内で行われた前日会見では「調子は上がってきたが、先月26日に練習中のアクシデントで医師から右骨挫傷と診断された」と直前のケガを告白した。

 サニブラウンによると、全治3週間と宣告されたが強行出場を決断。その背景には「もう自分だけの競技生活ではない。見てくださる方、サポートしてくださっている方々のためにしっかりパフォーマンスしなければならない」との信念があり、陸上界をけん引してきた責任を背負っている。

 無観客で開催された21年東京五輪で、スポーツはファンの存在があってこそだと改めて実感した。「今回は本当にできる限りの準備をして臨む」と、自身を支える人々への思いを走りで表現する。