ソフトバンクは20日の阪神戦(甲子園)に延長12回の末に2―1で競り勝ち、交流戦12球団最多9度目Vに王手をかけた。

 先発のリバン・モイネロ投手(29)が粘り強い投球を見せた。6回1失点で白星はつかなかったが、6三振を奪って交流戦3試合、23イニングで37奪三振をマーク。交流戦が「18試合制」となった2015年以降では最多を更新した。6日のヤクルト戦(神宮)で日本記録にあと1つに迫る18三振を奪い、13日のDeNA戦(みずほペイペイ)は13奪三振。鷹のエース左腕がセ界を圧倒した。

 初回に2つの三振を奪った時点で、今永(19年、DeNA)と山本(21年、オリックス)の33個に並んだ。3回先頭の近本を空振り三振に斬って記録更新。今季がNPB9年目で、17日に国内フリーエージェント(FA)権の取得条件を満たしたキューバの怪腕が実力を証明するように勲章を手にした。

「三振にこだわりはない。いかに少ない球数でアウトを積み重ねるか」(モイネロ)。交流戦37奪三振のうち34個が空振り三振。狙わなくても相手のバットは空を切り続けた。

 小久保監督はこの日のモイネロについて「本来の調子じゃない中、あれだけヒット(先発転向後ワーストタイの8安打)を打たれながら1点に抑えた」と粘りの投球を評価。コンディションや状態が悪いなりに抑える左腕の真骨頂だった。試合前、チームスタッフに「今日は三振6つ」と予告していたモイネロ。自身を客観視してイメージ通りに6回を最少失点に抑え、中継ぎ陣に後を託した。

 日本記録が目前に迫っても無欲の男――。狙わずして残った「23回37K」の衝撃は大きい。