巨人が21日の阪神戦(甲子園)で5―4と接戦を制し、連敗も2でストップ。先発の井上温大投手(24)が伝統の一戦で6回2失点の好投を見せ、今季3勝目を挙げた。
「水も滴るいい男」が初回から躍動した。先頭の近本に右前打を許して出塁を許したものの、慌てることなく後続はしっかりと断ち切って無失点。試合前から断続的に振り続けていた雨が試合経過とともに徐々に強まる中でも冷静さを失わなかった。その後の2、3回も三者凡退に抑え 猛虎打線につけ入るスキを与えなかった。
打線も奮起し、4回には浅野の先制適時打を含め一挙4得点。援護を得た左腕はテンポよく6回を2失点にまとめ、クオリティースタート(6回以上、3自責点以内)の内容で〝雨ニモマケズ〟にゲームメークを果たした。
それでも井上は謙虚に「粘り強く低めに丁寧に、走者出しても本当に我慢して続けようって思ってたのでそれができて良かったです」。一方、阿部監督は「本当に粘って粘って、先制点を与えないようにっていうのも感じました」と称賛した。
雨も味方につけたようだ。印象的だったのは雨脚が時折強くなっても、マウンド上で表情一つ変えずに淡々と力強い球を投げ込んだ井上のポーカーフェースぶり。まさしく「水陸両用」の働きをいかんなく発揮した格好と言える。
そんな左腕の原動力は〝思い込み効果〟にあるようだ。この日の先発マウンドに臨む前、井上は次のように語っていた。
「1回、雨の試合で投げたことがあるので、その時を思い出しながら投げられたらいいなと。(指先は)滑りますけど、相手投手も同じ。相手打者のバットも滑りますし、走者もちゃんと走れないですし。『自分は雨が得意だと思い込んで投げる』と杉内コーチに教わったので、そういう気持ちでいきたい」
有言実行の姿勢が結実し、宿敵から値千金の白星をつかみ取った。「雨」も「虎」もねじ伏せた井上の熱投が、チームを再び上昇気流に乗せることができるか。












