愛知県田原市の2階建て住宅で70代夫婦の遺体が見つかった事件で10日、祖父にあたる男性(75)を殺害したとして、殺人容疑で高校2年の少年(16)が逮捕された。少年は祖父母と3人暮らしで、同じ敷地内の別棟に少年の両親で祖父母の息子夫婦が暮らしている。田原署捜査本部は11日、少年を送検した。
捜査本部によると、少年は9日午前2時ごろ、自宅で祖父の首などを刃物で刺して殺害した疑いが持たれている。少年は、祖母にあたる女性(72)の殺害もほのめかしている。2人は1階の寝室に敷かれた布団の近くで血を流して倒れていた。
殺人事件(未遂含む)の中で最も多いのは、親族によるものだ。警察庁の統計によると、2021年に起きた殺人事件808件のうち、親族間が372件で殺人全体の約46%。配偶者、親、子の順に多い。「祖父母―孫」間は具体的に公表されていないが、「その他の親族」に含まれ25件だった。22年の殺人事件は754件で親族間が337件(約44・7%)、その他の親族は22件。23年の殺人事件は814件で親族間が329件(約40%)、その他の親族は23件。毎年、祖父母―孫の間での殺人事件が起きている。
孫による祖父母殺人、傷害事件はパターンが見られるという。
元警察関係者は「登校拒否や就職しないことをとがめられた孫が祖父母を傷つけたり、殺害したりする事件が過去に起きています。他には、ヤングケアラーの孫が介護疲れしたことによる事件、祖父母から虐待を受け続けたことが動機だった事件、カネの無心を拒否され突発的に起こした事件もあります。いずれも、祖父母と孫が一緒に暮らしており、親子のように濃密な関係であることが多いです。スマホのいじりすぎをとがめられただけで暴行を働くケースもあります」と指摘する。
今回の事件は、祖父母の遺体がパジャマ姿で布団近くで発見されたことから、就寝するまで待っていたと考えられる。口論などから起きた突発的な犯行ではないようだ。
「祖父母の遺体には刃物による切り傷や刺し傷が多数あり、祖父の首を刺したのが致命傷になっています。その上で少年は9日に普段どおり登校し、帰宅後の9日夕方に第一発見者を装い、離れに住む母親に通報させています。めった刺し後、冷静に行動できている点が深い恨みと計画性をにおわせます」と語る。
少年は警察の調べに対し、容疑を認めており、動機は解明中だ。












