【取材の裏側 現場ノート】MLBから遅れること約1か月、日本にも魚雷バットブームが到来した。打つために脚光を浴びている新たな道具だが、〝逆の発想〟で自分の仕事に生かす人も現れている。今後、普及が進めば「配球も絶対変わってくると思う」と打つこと以外で手に取ったのが、広島の19年目のベテラン・会沢翼捕手(37)だ。
11日まで行われたDeNA3連戦(横浜)の試合前、会沢は「実際に打ってみないと分からない」とフリー打撃をあえて魚雷バットで行った。実際の感触を確かめるだけでなく、捕手の視点でも思考を巡らせたという。打撃動作を繰り返しながら捕手として「捉えた打球は、既存のバットと魚雷ではどう変わるか」を想像しながら、試打したという。
使用するバットによって違いはありそうなのか。会沢によれば「あると思う」とのことで、こう続けた。
「詰まらせたいと思って投げた球で詰まるんだけど、外野の前のヒットゾーンに落ちる打球になったり。逆に(魚雷バットの)芯に当たれば、今まで詰まって外野の前に落ちていたのが、そのまま伸びて、外野手に捕られちゃう可能性もあるかなと」
従来のバットは先端に向かって太くなる形状である一方、魚雷バットはボウリングのピンのように細くなる。打球が最も飛びやすい芯の部分は既存のものよりも広く、打者の手元側にあるとされる。こうした形状の違いによって引き起こされる現象といえるかもしれない。
最近は「××選手が魚雷バットで今季〇号」といった記事を見る機会も明らかに増えてきた。となると、今後は魚雷バットの話題も「威力」から「防御」に焦点が移っていく可能性もある。研究熱心な鯉のベテラン捕手の〝魚雷バット研究〟を聞くにつけ、そんな日の到来を感じさせられた。(広島担当・赤坂高志)












