報われぬベテランが、またしても力投を無にした。オリオールズの菅野智之投手(35)が3日(日本時間4日)、本拠地でのロイヤルズ戦に先発登板。雨天中断を挟む難しい展開の中で6回を79球で投げ抜き、4安打2失点と試合を作ったものの打線が沈黙し、今季2敗目(3勝)を喫した。

 立ち上がりは圧巻だった。初回をわずか9球で三者凡退に抑えると、3回まで打者一巡を許さないテンポの良さ。オールスターのウィットJr.からは切れ味鋭いスイーパーで空振り三振を奪うなど、まさに〝マダックス投法〟をほうふつとさせる精密な投球で快調な滑り出しを見せた。

 だが初回裏に無得点に終わった直後、天候が一変。試合は57分間の雨天中断に入った。再開後も続投した菅野は崩れなかったが、4回にガルシア、5回にビジオとそれぞれ適時打、ソロ本塁打を浴びて2点を失う。それでも粘りを見せた右腕は、6回二死一、二塁のピンチも落ち着いて左飛に仕留め、試合を壊さなかった。

 しかしながら打線は相手先発・ブービックの前に沈黙。ヘンダーソンの猛打賞をのぞけば目立った反撃もなく、初回の好機を逃した後はランナーが得点圏にすら進めず攻撃の形を作れなかった。

 試合後、オリオールズ地元メディア「カムデンチャット」は「菅野のクオリティスタート(QS=6回3自責点以内)を無駄にした」と手厳しく報じ、4月28日(同29日)のヤンキース戦で自己最多8奪三振を記録した前回登板の好投にも触れた上で「今夜の主役は彼だった」と惜しんだ。

 今季4度目のQS(クオリティスタート)を記録しながらも、援護なき現実が再び突き付けられた。

 ブルペンも流れを断ち切れず、8回には3番手のセラントニー・ドミンゲスが2本のソロを被弾して4失点。オリオールズの〝静かな夜〟は、まるで昨年のポストシーズンが蘇ったかのようだった。「打線が彼を見殺しにした」──。多くのオリオールズファンが口裏を合わせたかのようにSNS上でも発した声は、まさにその一言に尽きる。

 好投が報われぬ日々。だがMLBオールドルーキー・菅野は、マウンドでの責務を一つひとつ果たし続けている。