“パパ初試合”は不発――。ドジャースの大谷翔平投手(30)は20日(日本時間21日)に産休制度の「父親リスト」から復帰し、敵地テキサスでのレンジャーズ戦に「1番・DH」で先発出場した。3打数無安打で自ら祝砲を放つことはできなかったが、チームは白星で祝福した。19日(同20日)に自身のインスタグラムで第1子である女児の誕生を発表すると「CNN」や英紙「The Guardian」など世界中のメディアが報道する騒ぎとなった。また、ロバーツ監督は“父の力”で自身最速打球を期待した。

 試合前に異例の光景が広がった。大谷が佐々木とともにクラブハウスに姿を見せるや選手やチームスタッフらから「おめでとう」と口々に祝福されたのだ。ベンチでもコーチ陣などから次々と声を掛けられ、笑顔があふれた。試合前の選手紹介では敵地にもかかわらず大歓声が上がった。

 パパ初仕事は初回先頭だった。相手先発は今季3勝無敗の右腕マーレ。カウント2―2から外角のスプリットを当てただけの二ゴロに倒れるとため息に包まれた。

 3回一死一塁は外角低めのスプリットに空振り三振だった。5回二死無走者は初球、ほぼ真ん中のカットボールにタイミングを外され、一ゴロだった。

 8回無死一塁は日本ハム時代に同僚だった右腕マーティンと対戦。カウント3―1から冷静に四球を選ぶとブーイングが上がった。続くベッツの右飛で二走スミスがタッチアップで三塁へ。3番フリーマンが左翼へ犠飛を打ち上げ、1点を先制するとそのまま逃げ切った。祝砲を打ち上げることはできなかったが、ドジャースナインは白星をプレゼントしてくれた。試合後、報道陣への対応はなかった。

 妻の真美子さんの出産に立ち会うために18日(同19日)に「父親リスト」入りし、テキサス州アーリントンで行われたレンジャーズ戦を今季初めて欠場。ロサンゼルスでの出産に立ち会い、翌19日午後3時5分(同20日午前5時5分)に自身のインスタグラムで第1子となる長女の誕生を報告した。レンジャーズ戦の試合開始3分前だった。

 すぐさま全米ではスポーツメディアを中心に一斉に速報する大騒ぎになった。因縁のニューヨークメディアのニューヨーク・ポスト紙(電子版)が「ドジャースの大谷翔平、妻の真美子さんの間に女の子の赤ちゃんが生まれた『心から感謝』」と伝えた。米エンタメ誌「ピープル」(電子版)も「ドジャースの大谷翔平、妻・田中真美子との間に第1子誕生『とても緊張しながらも、最高に幸せな親』」と報じた。

 また、「CNN」(電子版)は「ドジャースのスター大谷翔平が妻の真美子さんが第1子の誕生を歓迎」、英紙「The Guardian」(電子版)までも「女の子です! ドジャースの二刀流スーパースター、大谷翔平がパパに」と報じている。野球選手に限らずアスリートの子供の誕生が世界的なニュースとして取り上げられることが異例中の異例。規格外のメガスターであることの証明だ。

 パパ初日、力んだのか、前夜の移動の影響で疲れがあったのか見せ場はなかった。しかし、ロバーツ監督は大谷の“父の力”に期待。「『パパ・ストレングス(力)』はリアルに存在する。ショウヘイが今、どれだけ強いボールを打てるか。父親になったことで、これからは時速120マイル(約193キロ)の打球も見られるかもしれない」

 大谷の打球速度の最速は昨年4月27日のブルージェイズ戦で花巻東の先輩・菊池雄星投手から放った119・2マイル(約191・8キロ)だが、あっさり更新するかもしれない。愛娘誕生をパワーに無双の予感だ。