三度目の正直とはならなかった。巨人の戸郷翔征投手(25)が11日の広島戦(マツダ)に先発したものの、自己ワーストの4回途中10失点で降板。チームは3―12と大敗し、自身も今季2敗目を喫した。開幕戦登板から3戦連続で、この日も勝ち星はつかめず長いトンネルにハマり込んだまま脱する気配は見えてこない。迷えるGのエースに一体何が起こっているのか――。
厳しい現実を突きつけられた。戸郷は1点の先制点をもらった直後の2回に菊池の2点適時二塁打などから3点を失い、あっさりと逆転されると早くも青息吐息。3回こそ三者凡退に抑えて立ち直ったかに思えたが、4回にはさらなる〝悲劇〟が待ち受けていた。
先頭のファビアンに左前打、菊池に四球を与えると続く相手先発・森下の打席で犠打を一塁守備に就いていた名手・岡本が悪送球と野選を重ねてオールセーフ。二走・ファビアンが本塁生還を果たし、4点目を許した。
その後もなかなかアウトが取れず無死満塁とすると田村の適時打で、この日5失点目。ベンチで無表情の阿部監督が静かにマウンドを見つめたまま動かない中、戸郷は3番・小園から5番・野間まで3連続適時打を浴び〝人間サンドバッグ状態〟となり、屈辱の10失点目を記録した。
打者一巡で再びファビアンに打席が回り、右前打を浴びたところでようやく重い腰を上げた指揮官から交代を告げられた。右腕は努めてポーカーフェースを装いながらベンチへと戻ったが、やや目を潤ませながらぼう然と空を見上げるしぐさも見せた。
阿部監督は試合後に「(ファームで再調整)する予定。示しつかないし。こういう壁にぶち当たるって初めてだと思うし。いい勉強になると思いますよ」と二軍降格を明言。戸郷も「やっぱりこれだけチームに迷惑かけたんで。抹消して10日間、しっかり自分と向き合ってやっていけたらなと思います」と巻き返しを誓った。
5回4失点の開幕ヤクルト戦(3月28日=東京ドーム)、3回3失点に終わった阪神戦(4日=東京ドーム)に続き、これで今季は1つも勝ち星を得られず2連敗。苦しみ続ける現状について戸郷は「こんなに悩んでいるのも初めてですし、こんなに思った通りにいかないのも初めて。ずっとローテが確約されてるわけでもないと思いますし、気持ちを入れてやっていかないといけない」と赤裸々に明かす。
その一方でチーム内からは迷走中のエースに〝背負い込み症候群〟を指摘する声も出ている。
チーム関係者の1人は「本人も自覚しているように不調の原因は一つではないし、簡単に修正できたら苦労しない。それでも巨人のエースの看板を背負っているわけだから、責任感の強い戸郷だからこそ『早く自分自身で何とかしないといけない』と焦りすぎている節もある」と指摘。その上で「エースと言っても、まだ25歳。チームの状況も今は悪いわけではないし、重荷を下ろしてゆっくり考えられる時間や調整期間を与えてあげてもいいのではないか」との提言も向けている。
野球人生で最大の壁にぶち当たっている戸郷。暗中模索しながら復調への道を見い出すことはできるのか。












