日本ハム・新庄剛志監督(53)が6日のオリックス戦(エスコン)から新たな「奇策」を発動させた。出場する野手を試合前練習の内容で決めるという異例のものだ。

 プロ野球では前日、遅くても試合当日の全体練習前までにスタメンが首脳陣からナインに伝えられる。その上で選手は相手先発投手の映像を解析したり、試合を想定した練習に臨むことが一般的だ。ところが、この日の試合前のベンチ横に置かれたホワイトボードには、打撃練習の順番とともに「スタメン、練習内容で決まります!」と大きく明記されていた。

 突然の通達に選手の一人は「ということは…。(先発出場の)チャンスありですね」と意気揚々と打撃ケージに向かっていった。

 異例の〝内容重視オーダー〟が取り入れられたのは、状態がいい選手を起用したいからにほかならない。チームでは各ポジションにレギュラーを張れる選手が複数おり、昨オフにソフトバンクから現役ドラフトで加入した吉田賢吾捕手(24)も台頭。スタメン争いは日々過熱しているからこそ、指揮官も最も目を引いた選手を起用した方が得策と判断したのだろう。

 さらに、ある球団OBはチーム全体に波及するプラス作用も指摘した。

「試合直前までスタメンを誰にも告げなければ、選手たちは全員、緊張感を持って試合前練習に臨む。控え選手も練習の状態次第で『(試合の)最初から起用してもらえるかもしれない』と奮起するでしょうから。新庄監督はそういう選手間の競争心を今以上にあおり、チームを盛り上げたい思いもあるはずです」

 6日のオリックス戦(エスコン)は4―6で敗れ、今季初の同一カード3連敗を喫した。だが「2番・中堅」に抜てきした矢沢が初回に先制1号ソロを放つなど、効果は随所に発揮された。

「矢沢君は今日、フリーバッティングがよかったんですよ。で、いきなり答えを出してくれたから。でも今、うちに調子がいい選手はいない。(打線は)全体的によくないんで。相手投手の球質やこのバッティングの形だったら(当日の相手先発投手に)合うんじゃないかな、っていうのを探していきます」(新庄監督)

 試行錯誤を続けながら最適解を模索していく。