【球界こぼれ話】このところ日本ハムの本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」(以下エスコン)のお膝元・北広島駅周辺の再開発が目覚ましい。

 今月15日にコンビニや飲食店などが入った複合商業施設「トナリエ北広島」が西口にオープンすると、同28日にはその上階にホテルも開業。他にも駅周辺では高層ビルが複数建設されている。この先どこまで開発が進むのか。思えばエスコンが開業した2023年3月。北広島駅周辺はお世辞にも大規模イベントを受け入れられるような環境ではなかった。

 JR北海道の快速列車が停車するとはいえ、駅構内は人影が終日まばら。ボールパークに続く西口ロータリーには地元スーパーと居酒屋などが数軒あったもののコンビニはやや離れた場所に2軒だけ。カフェやレストランなどは無縁という殺風景な街並みだった。

 そんなごく普通の駅だったため、試合後の駅周辺は常に大混雑。多くのファンは押し寄せる人混みや行列と戦いながら帰路につくしかなかった。

 それがわずか2年足らずでこの急変ぶりである。北広島在住の球団関係者も「まさかこの短期間でここまでくるとは」と驚くばかり。28年度内には北海道医療大学が、エスコンがあるFビレッジ内に移転する予定もあるため「昨年ぐらいから徐々に駅周辺に新築の賃貸マンションなども建ち始めている」と前出関係者。今後はファミリー層や学生が住みやすいまちづくりが行われるため、こうした整備は野球観戦で訪れるファンにとっても大歓迎だろう。

 ただ、急速な開発の裏で気がかりな面もある。交通インフラの脆弱性だ。これまで当コラムでも何度か指摘したが、駅からエスコンに向かうシャトルバスはいまだに30分に1本と本数が少ない。試合開始4時間前からと、試合終了後にはそれぞれ臨時便が増発されるものの、その時間帯以外のバス利用は不便極まりない。他所へ行くバス便も同様だ。

 先日、シャトルバスの運転手にこの点を聞くと「実はバスの台数には余裕がある。でも運転手不足で増便できないのです」と苦渋の表情で語っていた。

 北海道では数年前から建設業を中心に人手不足が深刻化。これが運送業などにも影響を及ぼし始めている。だが、インフラを支える人材がいなければ快適なまちづくりは遠のいてしまう。

 試合開催日は連日大勢のファンが集い、ようやく駅周辺も活気づいてきた北広島。3年後には球場隣接の新駅が完成予定だが、この勢いを止めないためにも官民一体で課題克服に取り組んでもらいたい。