F1レッドブルに緊急昇格した角田裕毅(24)を、重鎮ヘルムート・マルコ博士が常勝軍団の再建へ〝救世主〟に指名した。

 今季からリアム・ローソンがレッドブルに昇格したが、開幕から大不振でわずか2戦で異例となるレーシングブルズへの〝降格〟が決定。開幕から速さを見せて実力をアピールしていた角田が入れ替わる形で、待望の昇格が実現した。

 ただ、この決定に関してはエースのマックス・フェルスタッペンが不満を持っていたと欧米各国メディアが報道するなど、レッドブル内には不穏なムードがくすぶっている。それでも、マルコ博士は角田が救世主になるとプッシュし、フェルスタッペンを説き伏せる構えだ。

 国際的なモータースポーツ専門メディア「F1i」は「マルコによると『フェルスタッペンは不満だが、角田裕毅との交代でタイトル獲得の可能性が高まる』」と題して、マルコ博士が角田を信頼している様子を伝えた。

 マルコ博士はオランダ紙「テレグラフ」で「マックスが満足していないことはわかっている」と切り出すと、こう続ける。

「しかし、先頭に2台の車が必要だ。これはコンストラクターズチャンピオンシップのためだけではなく、マックスが5度目の(個人)世界タイトルを獲得するのを助けるためでもある」と力説。「そうすれば、レースでより戦略的に成果を上げることができる」と持論を展開した。

 そして「今こそ、ユウキの経験と調子を生かすことができる。それが重要なのだ。結局のところ、それがチームにとって有利になる。それはまた、マックスにとっても有利になるということだ」。角田の加入は、チーム全体、ひいてはフェルスタッペンにもプラス効果をもたらすと強調した。

 角田ならば、そんな大役を果たせるとマルコ博士は確信している。「今年はまったく違うユウキを体験している。それを見るのは面白い」とその進化を称賛する。

「彼は開幕から最初の数週間はミスをしておらず、スピードがあり、新しいマネジメント体制のもとで自信に満ちている。彼の経験は、マシンをより良いものにするのに貢献してくれると信じている」と角田の現在の充実ぶりを高く評価。「ユウキは浮き沈みを経験してきたが、成熟した。彼は冬の間に懸命に努力し、体力も強くなった」とレッドブルの一員として結果を出せると太鼓判を押した。

 昨季は後半からチーム全体のパフォーマンスが低下し、製造者部門では4連覇を逃したレッドブル。今季も窮地に陥っている常勝軍団で、角田に救世主としての期待が高まっている。凱旋となる日本グランプリ(GP=決勝4月6日)は、まさに世界中が注目する〝主役〟としてその舞台に立つことになりそうだ。