阪神が23日のオープン戦最終戦となるオリックス戦(京セラ)に1―2で敗戦を喫し、通算3勝5敗4分けの10位タイで終えた。

 チームのオープン戦としては3年連続の負け越し。初めて指揮を執った藤川球児監督(44)は「いい準備期間だった。シーズン始まってもチームを一からつくり上げるという作業がある。シーズン最後の日に一番いい状態をつくり上げるのが目標」と落ち着いた声色で話した。

 この過度な期待を抱かせない絶妙なトーン。虎党は今季のタイガースをどう見ればいいのだろうか。2年前の2023年、第2次岡田政権1年目のシーズンは投打がかみ合い、18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一と最高過ぎる結果となった。当時の主力が現有戦力として多く残り、戦力的に充実していることは間違いない。さらに昨季も2位。強いチームを引き継いだ藤川監督のプレシャーは大きいに違いない。

 そんな藤川監督の現役生活の大きな転機となったのが05年。7勝、46ホールドの大ブレークで阪神はリーグ優勝を果たした。キャンプ中から直球の勢いを絶賛され、岡田監督が編成した「JFK」(ジェフ・ウィリアムス、藤川、久保田智之)のリリーフトリオにガッチリとハマった。

 ただ、当時の藤川投手に関西マスコミや虎党が過大な期待をしていたわけではない。春季キャンプ終盤の2月末、オリックスとのオープン戦(高知)で地元に凱旋登板。2番手で4回から2イニングを無失点と好投したが、大きな記事にはならなかった。本人も「まだまだこれから。分かりませんよ」と控えめだった。

 過度な期待をされず、十分に準備ができたタイミングで大ブレークした藤川投手。そして藤川監督は現在、選手たちに過度な重圧をかけず、準備に集中させている。「(ブレークした)25歳の時の記憶はないですよ」。指揮官はこう話すが、記憶がないわけがない。

 オープン戦の成績は絶妙に期待を抱かせ過ぎないだけに、かえって本番への期待が膨らむ虎党は多いかもしれない。