F1の今季開幕戦オーストラリア・グランプリ(GP)決勝が16日に行われ、レーシングブルズの角田裕毅(24)は5番手から終盤まで奮闘したが、勝負どころで痛恨の〝戦略ミス〟に泣いて入賞を逃す12位に終わった。モータースポーツジャーナリストの小倉茂徳氏(62)は、角田の走り自体は高く評価。一方で、以前から失敗が目立つチームの戦略面には〝注文〟を付けた。
予選で驚異の5番手に躍進した角田は、スタート直後こそシャルル・ルクレール(フェラーリ)に抜かれたものの、安定した走りで6位をキープ。終盤にはルクレールを抜き返して5位に上がる大奮闘を見せた。
さらなる上位進出へ期待が高まったが、ここで大きな落とし穴が待っていた。終盤にかけて再び雨が降ってきた場面で、多くのチームがインターミディエイト(小雨用)タイヤに交換。角田も交換を進言したが、レーシングブルズ首脳陣はそのままコースに残るよう指示した。だが、これが裏目に。ぬれた路面でまともに走れなくなった角田は順位を落とした上、結局ピットインせざるを得なくなり、11番手まで大きく転落。その後もペースが上がらず、12位と無念のフィニッシュとなった。
レース後の角田は「ピットインのタイミングが僕たちにとって良くなかった」と悔しさをあらわに。明らかな戦略ミスに、ローラン・メキース代表は「最後のピットストップの選択が間違っていた。我々は裕毅に謝る」と異例の謝罪をした。
小倉氏は問題のピットストップを振り返り「他がちょっと早めに入ったが、レーシングブルズとしては強い雨はそんなに長くは降らない予報だったので、順位を上げてゴールできるという考えもあったのだろう。それでピットストップを遅らせるギャンブルをした」と分析。昨季も角田はチームの戦略ミスに泣かされるケースが目立ったが、小倉氏は「こういう中堅チームは大きく順位を化けさせるために、他と違う手をやるのが一つの方法。特にこのチームはそれを長くやってきた。だが、それがうまくいかなかった」と指摘する。
中堅チームがゆえのリスク承知の賭けだったわけだが、角田が予選で5番手と躍進したようにマシンの仕上がりは上々。それだけに今後は、戦略面での〝成熟〟も求められる。「現状では上位に食いついていけるような速さがあるので、そろそろ上位勢としての戦い方も必要なんじゃないか。戦い方や考え方も、一歩前進するキッカケに」と小倉氏は提言した。
ただ結果こそ伴わなかったが、開幕戦でインパクトを残したのも事実。「決勝は展開のあやもあったが、予選の5位は角田裕毅という選手がやっぱり速いなと見せつけた。トップドライバーの仲間入りはしているところを見せてくれた。惜しい負け方をすると、絶対選手は伸びる」と小倉氏は今季の活躍に太鼓判を押した。次戦の中国GP(23日決勝)では本領発揮を期待したいところだ。










