日米通算200勝まで3勝としている巨人・田中将大投手(36=前楽天)が順調な調整を続けている。

 25日まで行われた春季キャンプでは「S班」で独自調整し、菅野(現オリオールズ)を完全復活に導いた名伯楽・久保康生巡回投手コーチ(66)との二人三脚で練習に取り組んだ。

 昨季は0勝に終わったが、移籍後初の実戦となった24日のロッテとのオープン戦(那覇)では1回を無安打無失点。好発進を決め「感覚的なところで(体の)使い方や意識は明らかに変わっているので。そこはすごく大きいかなと思います」とキャンプでの手応えを明かし、久保コーチも「自分の今できる感覚と織り交ぜながら、徐々にいい形で立ち上げて作っているように見えますね」と太鼓判を押していた。

 右腕の復調ぶりは本人の努力はもちろん、やはり久保コーチの影響も大きいようだ。

 チーム関係者は「この短期間でマー君をあの状態に仕上げられるところはやっぱり実績が違うよね」と経験豊富な手腕を絶賛。その中でも久保コーチの〝武器〟について「何がすごいって、やっぱり話術だよね。聞いている選手がワクワクするような、興味を持てるトークができるからこそ、菅野やマー君のようなベテランもついていくんだと思うね」と強調した。

 一概に話術といっても、選手に耳を傾けてもらえなければ意味がない。その〝コツ〟の一端を久保コーチ自身がこう打ち明けていた。

「最初から全部教えるんじゃなくて、1つの課題をクリアするごとに『次は何をするんだろう?』と選手が興味を持ってもらえるように教えています。最初こそ『この人は何を言ってるんだろう?』と思いながらも、やっていくうちにその答えが分かって楽しくなっていく。岩隈(久志)なんかもそうでした」

 いきなり全てをつまびらかにせず、小出しにしながら〝続編〟に期待を抱かせる。常に関心をひきつけることで前進させていくことこそが「久保塾」の神髄といえそうだ。