野球人生を占う1年になりそうだ。沖縄・浦添市で行われているヤクルトの春季キャンプで主砲・村上宗隆内野手(25)が連日汗を流している。2022年オフに3年総額18億円(推定)の複数年契約を締結し、今季は最終年。昨オフの更改では、25年が国内ラストイヤーになることを公言した。すでに球団からも今季終了後にポスティングシステムによるMLB挑戦を容認されている。果たしてツバメの主砲に対する海の向こう側の現状評価はどうなのか――。
ここまでお膳立てが揃うと、MLBスカウトの動きも活発化するのは必然だろう。村上は昨年12月に行った右ヒジ手術のリハビリもあり、二軍の宮崎・日向でキャンプイン。13日から一軍に合流したばかりだが、実戦でフルメニューを行う前段階にもかかわらず5球団以上のMLBスカウトが視察に訪れている。
米球界関係者の間において、今オフの移籍市場でNPB日本人野手の〝ナンバーワン銘柄〟は「村上」で一致している。一方で「今年次第ではポスティングの入札額が、そこまで高騰しない可能性もある」(MLBスカウト)とされ、見極めの1年になるという。
というのも、近年の村上の成績が頭打ちになっているためだ。22歳で迎えた22年シーズンでは打率3割1分8厘、56本塁打、134打点の好成績で球界史上最年少となる令和初の三冠王に輝いた。だが、その後は22年に匹敵する項目がなく各部門のスタッツは下がり気味。前出スカウトは「どちらが本当の村上かをわれわれも決断しなければ」と慎重な姿勢を示す。
だからこそ26歳の来季から海を渡る村上にとって今季は野球人生を占う勝負の1年となる。近年の日本人野手では22年3月に5年総額8500万ドルで鈴木誠也(当時広島)がカブスへ、同年12月に吉田正尚(同オリックス)が5年総額9000万ドルでレッドソックスへポスティングシステムで移籍。それぞれ送り出した側の両球団にも選手を失う代わりに莫大な恩恵をもたらした。今オフに村上のポスティング移籍がかなえばNPB野手では、この2人以来となる。それだけに、ヤクルト側も「どれぐらいの米球団が手を挙げ、どの程度の入札額になるか」(球団関係者)は気になるところだ。
米球界の村上への期待値は確かに高い。ただ、別のMLBスカウトからは「メジャーでレギュラーの座を狙うのであれば最低でも打率は2割8分台、打点は3桁。球場の狭い神宮を本拠地にするのであれば、最低でも40本塁打以上。日本で30本レベルなら米国で、その水準は厳しい。それぐらいMLBの打者のレベルは、日本よりも高い」と注文もつけられている。
今オフの村上は大争奪戦へと発展する高値高騰のプロスペクトになるか。あるいは無数にいる挑戦者のうちの1人にとどまるか。前者になれば、相応の資金が必要不可欠となるだけに獲得する球団も限られてくる。いずれにせよ、全ては村上の今季次第となりそうだ。











