DeNAはなぜ開幕投手を開幕1か月半前に発表したのか。東克樹投手(29)が大役を果たすが、球団史でも異例の発表となった裏側にはどんな狙いと思惑があったのだろう。
普通に考えれば、一昨年16勝で最多勝、昨年も13勝でプロ初となる2年連続2桁勝利の東が開幕投手を務めることは既定路線。それをわざわざ背番号11にちなんで、11日午前11時11分に〝発表〟したところに、球団の意図と演出が感じられる。実際、今キャンプ中に開幕投手を発表した理由を三浦監督に聞いたら「広報に聞いてください」とこう答えている。
「別に、発表する必要もないかなと思ったんですけどね。(東)本人さえ分かっていればいいことですから。ただ、広報がいろいろなタイミングを考えて、この日(11日)にしましょうと、はい」
そこで推察される最大の目的は、東が名実ともにDeNAのエースだと印象づけるイメージづくりだろう。今回のようなキャンプ中の開幕投手発表は、日本ハムの栗山CBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)が監督時代に何度かやっていた演出なのである。
2015年には2月20日午前11時11分に、背番号11をつけていた大谷(現ドジャース)が開幕投手だと明言。21年には大谷の先輩で背番号15だった上沢(現ソフトバンク)を、またまた背番号にちなみ、2月15日15時15分に開幕投手と公表している。
上沢指名の時は栗山監督が本人を呼び、キャンプ地・名護の球場をバックにツーショットの記念撮影。上沢も指揮官の演出に応え、12勝して初めて1億円プレーヤーにのし上がったのだ。
そんな経緯を知る球界関係者からは「DeNAも東をスーパースターに育てようと本腰を入れているようだな」という声がしきりに上がる。この努力が実って東が3年連続の2桁勝利を挙げ、チームが27年ぶりのリーグ優勝と日本一連覇を達成できれば、言うことはないだろう。
だが、近年のプロ野球で3年連続で2桁勝つことは至難の業だ。これを達成したのは、オリックスの宮城、オリックス時代の山本(現ドジャース)、巨人・戸郷ら数えるほど。三浦監督自身、3年連続で2桁勝利は挙げていないのだ。
実際、DeNAを視察した他球団関係者からはこんな声も聞かれた。
「東の調整は順調にきているようだが、3年連続で好成績を挙げられるかどうかは未知数だ。彼にとっては初めての経験になるし、まだ実戦形式で投げていないからね」
もっとも東自身は意気軒高。キャンプ中、今年のエースの座を争うライバルとして、2年ぶりに復帰するバウアーの名前を挙げている。三浦監督は「東やバウアーだけでなく、他の投手ももっと競り合って上を目指してほしい」と東の発言力にも期待しているようだ。
この時期の開幕投手発表は吉と出るのか、それとも――。












