野手の底上げが停滞する西武に〝リスペクトし過ぎ問題〟が指摘されている。

 5日、球団事務所では中村剛也内野手(41)が契約を更改。23年目のシーズンを出場58試合、打率1割9分1厘、7本塁打、14打点で終え、5000万円ダウンの年俸1億円でサインした。契約更改後は「(今季のことは)あまり振り返りたくない。(通算500本塁打は)もちろん打ちたいですがあまり気にせず、1日1日をしっかり過ごしていきたい」などと述べ、故障との戦いを強いられている直近5年間を念頭に慎重な物言いに終始した。

 球団側も「(500本は)当然打ってほしい。あれだけのレジェンドなので長くやってほしい思いもありますし、一方で、確かにそれを追い越す若手が出てきてほしい気持ちもある」(広池球団副本部長)と源田、外崎以降、野手のレギュラーが全く出てこないチームの懸案に触れた。

 内野は2017年に彗星のごとく出現した源田が遊撃のレギュラーに定着。いまや侍ジャパンの正遊撃手となり、二塁も浅村がFA移籍した19年から外崎の定位置となった。しかしながら秋山、森、山川のFA流出後は空いたポジションを埋める戦力が現れず、今季「借金42」を背負う歴史的最下位という形でチームの問題点が一気に露呈してしまった形だ。

 この状況を打破するために西口文也新監督(52)は「来年の開幕戦のレギュラーは源田しか考えてない」と秋季練習初日に宣言。同時に外崎を三塁にコンバートして二塁を空け、チーム内競争の活性化を図っている。

 各ポジションでレギュラーになり切れない一軍半クラスがひしめく。そんな西武の現状を今季、現役ドラフトで広島から入団した〝外野の目〟を持つ中村祐太投手(29)はこう見る。

「若いうちから試合に出ている選手が多いので、それをどう捉えるかだと思う。現状に満足している選手も多いかもしれないし、一軍で試合に出れているからいいやという気持ちだと上にはいけないと思う。そういう選手が減っていく。ゲンさん(源田)、トノさん(外崎)からレギュラーを取るぐらいの強い気持ちを持った選手が増えていかないと強くはならない」

 23年WBC決勝前のスピーチで大谷翔平投手(30=ドジャース)が「憧れるのをやめましょう」と口にしたのは記憶に新しい。その言葉にも象徴されるように、レギュラーやベテランをリスペクトし過ぎているうちは絶対にレギュラーになれないということ。野手陣から突き抜けた存在が現れない理由の1つとして、知らず知らずのうちに浸透してしまった〝忖度(そんたく)精神〟があるのかもしれない。(金額は推定)