ここから立て直せるのか。パリ五輪で日本競泳陣が獲得したメダルは、男子400メートル個人メドレーで初出場した松下知之(19=東洋大)の銀1個のみ。大会前に掲げた目標の金を含む複数個のメダル、出場選手全員の決勝進出からは程遠い結果に終わった。日本水泳連盟の齋藤由紀副会長が取材に応じ、今大会で浮き彫りになった現状と「4年後」について語った。
――競泳陣は大会前の目標を達成できなかった
齋藤副会長(以下、齋藤)やっぱり厳しいと思う。(不振の)理由は現場の人たちが分析し始めているけど(目標を達成)できなかったという意味では厳しい。勝負事で相手のこともあるし、環境もあるし、いろんな要素が考えられる。
――3月のパリ五輪代表選考会の前には、水連が定めた派遣標準記録に対し、一部コーチから緩和を求める声が出ていた
齋藤 選考会のレベルを高くして(選手たちが)頑張って、それをそのまま(五輪へ)ブラッシュアップしたかった。考え方としては間違ってなかった。(結果を受けて)もちろん反省は必要だけど、腐ることなく、次にステップアップすることの方が重要だと私たちは考えている。
――平井伯昌コーチが帰国後に、日本競泳界全体の課題として「リーダーシップが欠如している。ヘッドコーチ(HC)のいないチームは聞いたことがない」と指摘した
齋藤 SNSでも(この件についての意見が)いっぱい出ていた。それぞれ個人の考えもあると思うけど、現場の方も含めて(HCを設けるのは)大事にしていかなきゃいけない意見の一つだと思う。
――現時点で水連内でHCについての議論は
齋藤 そこまで具体的なものは…。今は情報を集めて整理してという段階なので。その先の具体的なプランまでは進んでいない。
――3大会連続出場の池江璃花子(横浜ゴム)が「リオデジャネイロ以来の有観客の五輪で少し自分の中で緊張が勝ってしまった」と語っていた
齋藤 そういう選手が、ほかにもいたとは思う。東京五輪に出場していた選手からすれば、池江さんが言うように全く環境が違ったはず。(今大会は)大歓声の中でレースが行われたので。ただ、そういうことも含めて事前に策は打っていて、(パリ五輪前に有観客の)欧州の大会に遠征もしていた。
――一方で、松下は決勝で4分8秒62をマーク。自己ベストを1秒以上更新できた
齋藤 調整がうまくいったのが一番大きいと思う。松下君も(五輪に備えて)事前に欧州の大会に出場して、そういう環境(大歓声)をものともしない性格もあってうまくいったのでは。
――松下以外にも女子400メートル個人メドレーで成田実生(金町SC)が6位入賞するなど、10代の選手が結果を残した。2028年のロサンゼルス五輪に向けては
齋藤 何が何でも4年後は。(10代の選手が)ピークを迎える頃に、ちょうど当たるんじゃないかと期待している。ぜひ、ロスには期待していただきたい。












