UMAの中には、人間に発見されてすぐに逃げ去るものもいる一方で、どこからともなく現れては人々を襲うものもいる。危害を直接加えるようなUMAには十分に注意したいところではあるが、中には攻撃的というわけではないものの非常に危険とされているUMAもいる。それが、今回ご紹介する「ミニワシトゥ」だ。

 ミニワシトゥは、米ノースダコタ州のミズーリ川に生息しているといわれる伝説上の怪物だ。名前は、ダコタ語で「水の怪物」を意味しているといわれており、古くからネイティブアメリカンの伝説に登場しているUMAである。

 その姿は、毛むくじゃらの赤毛で、体高は1・5~2・5メートル。バイソンのように丈夫な毛皮を持ち、ヘラジカのようなヒヅメ、そしてチュパカブラを思わせるギザギザしたノコギリ状の尖った背骨が突き出ているのだという。また、ユニコーンのように一本の角を持っており、目はサイクロプスのように一つしかないという非常に特徴的な風貌をしている。

 突き出した鋭い背骨は、相手を襲う武器の役割よりは、氷を砕くために使用されるといわれている。これは、ノースダコタ州がアラスカを除いてアメリカ最北端の州の一つであり、冬場は最低気温がマイナス16度になるほどの極寒の地であることに由来している。

 ミニワシトゥは、春になるとミズーリ川に張った氷を砕いてゆっくりと川を遡上していくという。また、このためミニワシトゥは、気温が上がると活動的になるそうだ。

 実際、ミニワシトゥが人間を襲ったという話はなく、直接危害を加えてくるような存在ではないと言える。だが、それとは裏腹に、ある非常に恐ろしい性質を持っていることで知られているのも事実だ。それは、姿を見た者は死んでしまうというとんでもなく恐ろしいものだ。

 ノースダコタ州歴史協会の学芸員だった作家のメルビン・ランドルフ・ギルモア氏が1921年にダコタ族から採集したというミニワシトゥの伝承がある。要約すると以下のようになる。

「昔、ミズーリ川には不思議な怪物がおり、川の真ん中で火のように赤く輝きながら轟音を立てて流れに逆らい移動していった。この存在は、昼間に目撃すると気が狂い、苦しみもがいて死んでしまう。さほど昔ではないある時、川を通りかかったとある男がその姿を目撃したが、それを目にした途端に男は視界が真っ暗になり、手探りで家に辿り着いた。男は目撃した怪物を人々に伝えたが、ついに理性を失いそのまま息絶えてしまった」

 この伝承により、地元ではミズーリ川の氷が砕ける音がした時は、目を逸らしてすぐにその場から立ち去るのだという。

 その一方で、現地において治癒の力を持つミズーリ川の守り神と見なされており、祈りの対象にもなっているとの話もある。

 かなり奇妙な存在のようにも思えるが、決して見てはいけない、祈ることで守り神になる、といった点は日本でいうところの「祟り神」に近いのではないかとも思える。そう考えると、ミニワシトゥは未確認動物というよりは神獣のような存在である可能性も高い。ただ、興味を持たれる方々もおられるかもしれないが、見たら目が潰れて命を落としてしまうという性質を思うと、捜索は到底お勧めできない。