北朝鮮が8月29日に発射した1発の中距離弾道ミサイルは北海道の襟裳岬上空を通過し、太平洋に落下——日本列島に戦慄を与えた。

 我が国にも被害がもたらされる可能性はあり、警報システムのJアラートが発動され、北海道や東北地方などの国民に避難が促された。安倍晋三首相は北朝鮮への圧力強化の声明を発表し、国連安保理はミサイル発射を非難する議長声明を発表した。

 朝鮮中央通信は「太平洋を今後の標的として、さらなる弾道ミサイル発射演習を実施する」と予告。依然、東アジアの情勢は緊迫した空気が続いている。

 その北朝鮮にも有名な未確認生物が生息しているのをご存じだろうか。その名も「テンシー」。天池(朝鮮語でチョンジもしくは中国語でティエンチ)という湖にすむ大型の未確認生物なので、ネッシーになぞらえてテンシーと名付けられた。

 天池があるのは中国と北朝鮮の国境地帯にある白頭山(ペクトゥサン)。最初期の朝鮮民族と国家は白頭山で起こったと言われており、白頭山は朝鮮民族のアイデンティティーにとって重要な山なのである。

 韓国、北朝鮮では白頭山という呼称だが、中国では長白山。世界的にどちらの呼称を使うかでしばしば問題になる。また、第2次世界大戦中には抗日ゲリラの拠点でもあった。

 白頭山は火山で、現在も噴火の兆候があるとして極東の研究者たちの注目を集めている。そして天池は白頭山の頂上にあるカルデラ湖なのだ。直径約4キロ。天池を取り囲むように峰がそびえ立ち、不思議な光景を作り出している。

 このような環境のため、生態系には乏しいのだが、ネッシーのような大きな生物が目撃されたということでも世界中から注目を集めた。巨大な生物が存在するという伝説は300年以上前から存在しており、目撃報告自体は100年前から繰り返されている。これが1900年代に入って大きく変わったのだ。

 1903年が最初の目撃報告で、大きなバファローのような生物が6発の銃弾によって退いた。1962年には100人以上の人が水中で泳ぐ2体の怪物を見たという。

 1980年には中国側にある気象台の職員が怪獣のような生物を目撃、発砲する騒動になった。2002年になると3〜8メートルほどの大きさの生物が20〜30体ほど泳いでいたところが撮影され、この報道によって「チャイニーズ・ネッシー」とも呼ばれるようになった。

 2007年には中国のテレビリポーターが6体の未確認生物を20分間撮影したと主張している。

 テンシーの体長は最低でも3メートル。アヒルのようなクチバシと哺乳類、特に牛のような頭をし、体は犬のようだとも言われている。体は灰色の滑らかとも赤い毛が生えているとも…。

 首の長さが1・5メートルもあり、その首の根本に白い輪がある。腹部が白いなど諸説あるのは古い伝説と現在の目撃報告が交ざっているのだろうか。その正体も様々に噂されている。

 まず、北朝鮮の軍事演習や工作活動、大きな影は潜水艦や船という説だ。人目を避ける活動と人間を避ける野生の生物らしい習性が符合する。この説だと群れのような行動をしていたのも納得がいく。牛のツノのように見えたものが潜望鏡だとも推測できる。テンシーに関して中国側からの報告があるのに対して、北朝鮮が黙っていることも説明がつくだろう。

 他にはカルデラ湖特有の自然現象の一種で、生物がいるかのように波紋が広がる現象だとの指摘もある。

 いずれにせよ、テンシーの正体の早い解明が待たれる。