【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#647】「ポチョン」とは、Pocongと表記する。この言葉は、マレーシアやインドネシアなど、イスラム教(ムスリム)信徒が、多い東南アジア諸国で伝承される幽霊のことである。地方によっては別名「ポコン」とも呼ばれている。

 実在するとされる生物を未確認生物として解釈している手前、幽霊は本来紹介しないはずであったが、現代でも目撃者が多く存在しており、一応実在の存在として今回は記述したいと思う。

 基本的に墓場に出没する。インドネシア人は、人間が亡くなった時に、白い布(カイン・カファン)で、足先から頭の先まで満遍なく包む。その埋葬された布だらけの状態でピョンピョンと跳ねながら出没する。まるで「キョンシー」である。

 インドネシアでは、キャンディーの包み紙のように見えることから、「ジャンピングキャンディー」と呼ばれることもある。

 マジメに生きている人間は、このポチョンになることはない。生前に悪いことをした者、信仰心を捨てた者が、死後、このポチョンになってしまう。生前、マジメな人生を送った者は土葬されて土に戻るが、悪事を働いた者の遺体は形が崩れず、そのまま起き上がり、墓場をピョンピョンと跳ね回るポチョンとなってしまうのだ。

 どれだけ信じられているかというと、インドネシア中部ジャワ州の村で、若者たちがボランティアとして幽霊に見える白いツーツをかぶって、ポチョンに扮して、野外を出歩く者たちを追い払うのに使っているほどだ。

 霊と幽霊の違いをインドネシア人に問うと、霊は神と共にあるものであり、幽霊は人を誘惑するものであるという。ある意味、日本語の悪霊とか怨霊というニュアンスがポチョンにはあるのかもしれない。

 他に出没する怪物には、「ウェウェゴンベル」「コロンウェウェ」というおっぱいが長い女性のお化けがいる。これなどは、日本の八丈島に生息するといわれる妖怪「テッチ」と似ている。