セ3位の阪神は首位・巨人を甲子園に迎え、30日の3連戦初戦で5―1と完勝。3番・森下翔太外野手(23)と4番・佐藤輝明外野手(25)、5番・大山悠輔内野手(29)のクリーンアップトリオが計6安打4打点を叩き出し、先発・才木浩人投手(25)に9勝目を贈る理想的な展開で今季2度目の5連勝を決めた。これで巨人とは2・5ゲーム差。この日、泰然自若の姿勢で勝利を呼び込んだ岡田彰布監督(66)には前政権時代の「2005年初V」をほうふつとさせる〝野球脳〟が随所で冴え渡っていた。
猛虎が伝統の一戦で宿敵・巨人に圧勝し、カード初戦を幸先よく白星で飾った。投打がかみ合っての内容には試合後の岡田監督も「前半の悪い分を取り返している」と手応えを感じている様子。5回終了時のインターバルでは人気ロックバンド「TUBE」のスペシャルライブが行われたが、指揮官は「見てないよ。結構たばこ吸えたわ、ゆっくり」とジョークを飛ばす余裕も漂わせた。
その姿は第1次政権で19年前に見せていた〝たたずまい〟と、くしくもオーバーラップする。ここ最近、岡田監督が主軸の面々へ「凡事徹底」を説いていることも当時とそっくりだ。この日も森下、佐藤輝、大山のクリーンアップ3人に対し、ただ黙って動じることなく「打て」の姿勢を決め込んだ。指揮官として初めてリーグ優勝した05年のシーズンも「実は同様だった」と回想する関係者は少なくない。
初回は一死一塁から森下が遊ゴロ併殺。2回も無死一塁から大山が遊ゴロ併殺と明らかに流れは悪かった。それでも岡田監督は「クリーンアップにな、細かいこと、でけへんからな。今調子ええから余計にね。最初ゲッツー、ゲッツーなったけど全然気にしてなかったし、そんないつも(打線が)つながってたら試合終わらへんやん」と振り返っており、試合序盤も全く慌てることなく悠然と構えていた。
05年は3番・シーツ、4番・金本、5番・今岡の主軸3人が存分に機能した。それぞれが相乗効果を生み出し、3人で357打点を量産。現在の猛虎打線にも5番に大山が入ったことで、リーグVを呼び込んだ05年と打線全体のイメージがダブる。
この当時も赤星、鳥谷、シーツ、金本、今岡、桧山、矢野、藤本と続く切れ目のない打線が形成されていた。この19年前の成功体験を刻んだ岡田監督の〝野球脳〟が自然と「24年版・猛虎打線」を組ませ、我慢を重ねながら後半戦に入って着実に実を結ぼうとしつつある。
後半勝負を連呼してきた岡田監督。その言葉通り、しっかりと「勝負の8月と9月」に態勢を整えてきた。「やっぱりあれよ、夏に調子が上がってくるというバッターはいいバッターやと思うよ、俺は」と虎の知将は言い切る。長期ロードを前に甲子園で一気に巨人を叩く算段は岡田監督の〝野球脳〟にきっちりとインプットされている。












