開幕直前に電撃退団し、球界に衝撃を与えた巨人の元助っ人ルーグネッド・オドーア内野手(30)が、意外な形でチームに貢献している。

 MLB通算178本塁打の輝かしい実績を引っ提げて巨人入りしたが、オープン戦から調子は上がらず、出場した12試合で打率は1割7分6厘(34打数6安打)で本塁打も打点もなし。ヤングGが猛アピールを続ける中で超低空飛行のまま浮上の気配がなく、首脳陣は二軍調整を決断。阿部監督から直接言い渡されたが、これを断固拒否して帰国を申し入れ、開幕目前の3月26日に緊急退団が決まった。

 嵐のように去り行く助っ人を見送ること、はや1週間。もっかチーム内ではお騒がせ助っ人が〝ネタキャラ〟となっている。ある選手は練習中のふとした瞬間に「オドーア! オドーア!」と連呼してナインの笑いを誘うなど、単語そのものが一種のキラーワードとなっている様子。ナインの1人は「いなくなってしまったのは寂しいけど…」と言いながらも「『触れちゃいけない人』みたいにするのも違う。『そんなこともあったよね』くらいに扱う方がいいんですよ」と心境を明かした。

 選手だけではない。育成助っ人のラモスの退団時に取材対応した球団幹部の1人は、報道陣から「オドーアはすでに帰国したのか」と尋ねられると「探してください(笑い)」とジョークを炸裂させた。

 チーム関係者は「オドーア事件を笑いに変えられていることはチームの雰囲気がいい何よりの証拠だよ」と断言。「開幕前に目玉助っ人がいきなり退団なんかしたら普通はチーム内に動揺が走るものだけど、それが大きな影響もなくネタにしているくらいだからね。いろいろと余裕があっていい傾向だね」と分析する。

 退団当時はナインも複雑な心境を隠せなかったようだが、今では「笑い話」へと昇華。このゆとりこそが、阿部巨人の好調の要因なのかもしれない。