卓球女子の伊藤美誠(23=スターツ)が世間の評判を〝V字回復〟させ、関係者も胸をなで下ろしている。

 1月の全日本選手権ではパリ五輪代表を逃して大粒の涙を流した一方、25日まで行われた世界選手権団体戦(韓国・釜山)では代表メンバーとしてチームを積極的にサポート。2試合の出場ながら、その他の試合では選手たちに的確な助言を送った。

〝美誠監督〟の手腕には平野美宇(23=木下グループ)が「冷静にアドバイスを送っていただいたので、最後まで自信を持って戦えた」と語るなど、選手からも感謝の声が相次いだ。

 かねて伊藤はパリ五輪の補欠には消極的な姿勢を示してきた中、今大会を通じて待望論が再燃。ただ、伊藤は26日に都内で行われた帰国会見でも「これから五輪に出場したい選手だったり、五輪で金メダルを取りたいという選手がリザーブになるべきかなと思っている」と改めて否定的な姿勢を示している。

 当初と今で大きく異なるのは、一部ネット上で散見された伊藤への批判が激減したことだ。その背景には、世界選手権で見せた献身的な姿が大きく影響していることは間違いない。

 ある卓球関係者は「誹謗中傷が減って本当によかった。今大会は伊藤選手にとっても良かったと思うし、この日の会見でも自分の考えを説明したのは良かったと思う」と安堵の表情を浮かべた。

 そんな伊藤の次なる目標は「世界ランキング1位」の奪取だ。そのためには中国勢の壁を崩すことが必須となる中で、新たな学びを得たという。伊藤は「ベンチでたくさんの選手の試合を見る機会があって、本当に勉強になった」と充実の表情。この発言を聞いた別の卓球関係者も「今回の経験はプレーに生きてくると思う」と期待を寄せた。

 伊藤は「(自分以外の試合で)感動したなと思う瞬間は、これが初めて。自分自身も負けじと頑張ろうと思えた」。失意を乗り越え、再出発への第一歩を踏み出した。