阪神は27日に沖縄・宜野座での春季キャンプを打ち上げる。例年になく天候にも恵まれ、充実の1か月間が終わろうとしている。

 黄金時代到来の気配を漂わせる昨季の日本一チームは、投打ともに陣容が大充実。キャンプ地を訪問した評論家たちも「今季の優勝候補筆頭は阪神」と一様に口をそろえたほどだ。とはいえ、そんな猛虎にもわずかな〝死角〟もなくはないようだ。本紙評論家の金村暁氏は不安要素として「一軍先発ローテ投手候補の〝枚数〟がやや手薄かもしれない」と指摘した上でこう続ける。

「村上、伊藤将、大竹、青柳、才木、西勇と開幕ローテの6人はほぼ当確状態。ですが、これに続くバックアップ要員として現状で名を挙げられるのは、高卒2年目の新鋭・門別と、中継ぎから先発転向を目指す及川の2枚しかいない。先発ローテ経験が乏しい2人しかリザーブで用意できていない現状は、長丁場のシーズンを考えると少々心もとないかもしれません」

 構想の中で先発候補の一角とされていた西純は、投球フォームの模索に苦しみ、キャンプ中に二軍組へ降格。2年連続2桁勝利の実績を持つ秋山や、高卒3年目右腕の森木も十分なアピールができず、一軍昇格のメドが立たない。即戦力候補として獲得したドラ1右腕の下村海翔投手(21=青学大)も、コンディション不良でブルペン入りすらほとんどできていない状況だ。

 このような事態を打開するため、金村氏は「中継ぎ左腕の桐敷拓馬投手(24)を先発へ再転向させることも視野に入れる必要があるかもしれません」と提言する。

「チーム事情もあり昨季はリリーバーとして起用されていましたが、本来の適性はバリバリの先発タイプ。制球、球威、スタミナ、精度の高い豊富な変化球と、先発としての条件は全てそろえています。阪神以外の他球団なら、間違いなくローテの柱を託される存在。阪神の中継ぎ陣は桐敷が不在でも十分に回せそうなほどメンバーがそろっていますし、大丈夫でしょう。シーズン中に慌てて先発へ再転向させようとすると調整にも1か月以上時間がかかりますし、今から準備しておけば憂いがありません」

 他球団からすれば、ぜいたく過ぎる悩みに映るかもしれないが〝転ばぬ先の杖〟はやはり手元に欲しいもの。不安要素を極力排除した上で1か月後の開幕を迎えたいところだ。