広島の新外国人右腕、トーマス・ハッチ投手(28=前パイレーツ)が16日に行われたシート打撃に登板した。順調な仕上がりに新井監督も胸をなで下ろしたが、キャンプを視察した本紙評論家の金村暁氏はブルペンの段階から着目。MLBでの実績は乏しいものの、思わぬ〝掘り出し物〟となるかもしれない。
【グラゼニ球論・金村暁】広島の沖縄キャンプで「これはいい投手だな」と思わず見入ってしまったのが、新外国人のハッチ投手です。メジャー通算21試合で3勝と華々しい実績はありませんが、投手としての完成度は非常に高いものを感じました。
185センチ、88キロからゆったりとしたフォームで放たれる各球種はともに制球が安定しています。私が見たブルペン投球(15日)は7割くらいの力加減で20球程度でしたが、フォーシーム(直球)、チェンジアップ、カットボール、ツーシームはどれも制球に苦しむことはないという印象でした。
中でも目を引いたのは直球です。やや抑えめの腕の振りでも捕手の手元で落ちるどころか、伸びる軌道でミットに収まる「ポップ成分」を多く含んだ〝垂れない直球〟。カットボールもベース板付近で鋭く変化し、チェンジアップもしっかりと抜けてくる。初見ながら「状態が上がってきたら、打者が攻略するのは簡単ではないな」というイメージを抱きました。
新井監督によると、計測機器では最速157キロ直球の1分間あたりの回転数は2600(rpm)に上るとのこと。平均値が2300前後のNPBでも武器になるレベルで、年間を通して先発として稼働できるポテンシャルは十分と言えます。
セ・リーグ内でも広島は阪神と同様に先発陣は床田、森下、九里、大瀬良と昨季も120イニング以上を投げた「計算できる駒」が豊富にそろっています。この4人と新外国人選手が同等かそれに匹敵する働きをできれば、新井カープはさらに「投手力」を前面に押し出した安定感のある戦いをできるはずです。(本紙評論家)












