〝最終決戦〟の行方は――。約2年に及ぶパリ五輪代表選考レースは、22日に開幕した卓球の全日本選手権(東京体育館)で幕を閉じる。女子シングルス代表の2枠目を巡って、選考ランキング2位の平野美宇(23=木下グループ)と3位の伊藤美誠(23=スターツ)が34・5点差と僅差で争う展開。日本卓球界初のプロ選手で五輪4大会連続出場の松下浩二氏(56)が勝敗の行方を占った。

五輪4大会連続出場のレジェンド・松下浩二氏
五輪4大会連続出場のレジェンド・松下浩二氏

 運命の戦いがついに始まる。選考ランキングで首位を独走する早田ひな(23=日本生命)はシングルス代表の座を確実にしており、残り1枠を平野と伊藤が奪い合う構図。松下氏は「最後に全日本選手権という権威のある大会で決まる点は、見るほうとしては非常に面白い。大きな大会で力が発揮できるかどうかは五輪に結びつくところだと思うので、力を出した選手、いい成績を出した選手が代表になるのはとてもいいことだと思う」と期待を寄せた。

 平野と伊藤はともにスーパーシードに名を連ねており、26日の4回戦から登場。ともに優勝候補だが、初戦の入り方が重要になる。

 松下氏は「緊張した中での戦いなので、1戦目から接戦になるのでは」と予想した上で「開き直ってプレーできればいいが、大事にプレーしようとし過ぎると、日本の選手は弱くないので、足をすくわれる。勝たないといけないとか、負けたら代表になれないというような気持ちが出てしまうと、早い段階で負けてしまう可能性もある」との見方を示した。

 現段階では2位の平野がやや有利。決勝に進出した時点で、伊藤の成績に関係なくシングルス代表権を得るからだ。

 だが、有利な状況ならではのプレッシャーもある。松下氏は「リードしている平野選手の場合は、伊藤選手と同じくらいの結果で代表になれる。平野選手のほうは追われる身なので、やりづらいところもあると思う。伊藤選手の場合はもう勝つしかないので、開き直れるのでは」と分析。技術面は遜色ないことから「五輪もすごい緊張すると思うので、精神的なところがポイントになると思う」と指摘した。

 泣いても笑っても今大会が最後の勝負。そんな大一番を控える2人に対し、松下氏は「どんどん自分たちの持ち味を出してもらって戦ってほしい。負けない卓球ではなくて〝勝つ卓球〟で。勝つ卓球が五輪につながると思うので、平野選手も伊藤選手も攻めるのが得意な選手だし、攻撃的な卓球を貫いてほしい」とエール。勝利の女神がほほ笑むのは、果たしてどちらか。