【森脇浩司 出逢いに感謝(63)】さまざまな異業種の方と交流することで成長につながると思っていました。騎手の田原成貴さんとも出会いがありました。

 名前は知っていましたけど、競馬は詳しくなかったんです。大阪のあるホテルでお会いしてお茶をしたんですが、ジョッキーなんで思っていたより小柄で、かっこいいんですよ。グレーの飾り気のないスーツを着てらして、お会計の時に大きな財布じゃなく、ポケットから裸のお金を取り出したんです。それが何ともかっこよかった(笑い)。それが最初の印象でした。携帯なんてないから連絡を取り合うこともできないけど、お互いテレビや新聞で見たり、オフに栗東でゴルフしたりね。

 1993年には僕の結婚式にも来ていただき、その2週間後の有馬記念をトウカイテイオーで勝った。野球界にも競馬好きは多かったんで田原さんが結婚式にいて周囲は驚いていたし、その後の有馬記念もみなさん喜んでいましたね。

 トウカイテイオーは1年ぶりの涙の復活劇となりましたが、レース後の田原さんは派手なアクションをしなかった。その理由を1年間苦労した関係者、何より誰よりも苦しみに耐えてきたトウカイテイオーのことを考えればと…。それに、そうすることでもしアクシデントでもあれば、と思うとできることではなかった、とコメントしておられた。超一流が持つ優しさと感性に強い感動を覚えたものです。

 田原さんは乗り役のスキルだけではなく、漫画の原作、音楽と多才で、自分にないものをたくさん持っている。細身の体の中に限りないバイタリティーを感じ、素晴らしいと思っていましたね。東スポさんのユーチューブも見させてもらっていますし、画面越しでもその印象は変わりません。

 プロスキーヤーの三浦雄一郎さんも「心の恩師」とさせてもらっています。20歳ごろに大阪・池田のバッティングセンターの社長から紹介されてご縁をいただきました。2003年、08年、そして13年には80歳で3度目のエベレスト登頂を果たし、世界最高齢登頂記録を更新された。人生は常に前進、常に挑戦、停滞は悪なり、を生きざまから教えていただきました。

 長男の雄大さんとは僕が現役のころからオフシーズンにスキートレーニングをしてもらったこともありますし、二男の豪太さんとは引退後のイベントでもご一緒しました。三浦さんは物静かでみじんもおごりがなく、目線を対等にして向き合う姿勢に強烈な迫力と器の大きさを感じました。まさにそういう大人になりたい、という憧れであり、目標とする人でしたね。

 同業者はもちろん、異業種の人からも学ぶ。それも当然不可欠と思うし、成長できる大きなヒントがある。探し求めていたわけではないですが、踏み出して作りにいく縁もあれば、人からいただける縁もある。いずれも必然だったと思いますね。