【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#548】獣人タイプのUMAと言えば、最も有名なのはビッグフットだろう。UMAの中で最も知られている存在の一つであるこのビッグネームは、ひとたび似た存在が現れれば「〇〇のビッグフット」とも呼ばれ、また英国のUKビッグフットのように謎の獣人UMAの名としても冠されるほどの知名度を誇っている。そんなビッグフットは北米のUMAであるが、南米のビッグフットとも称されるUMAをご存じだろうか。
アルゼンチンに生息すると言われている巨大な獣人「ウクマール」は体長2メートルを超え、毛むくじゃらで二足で立ち上がる謎の生物として、現地では伝説の生物としても知られている。
1958年に、チリの首都サンティアゴからおよそ80キロメートル離れたレンゴでキャンプをしていたとある仲間グループが、猿人のような奇妙な生物に遭遇したという報告が警察の捜査記録に残されており、これがウクマールに関する最初の目撃例であると言われている。
だが、実は最初の目撃とされる年より以前の1956年、アンデス山脈のアルゼンチン側にある標高1万6000フィートを超える地点において、およそ43センチメートルもの大きな足跡が地質学者オーディオ・L・ピッチによって発見されていた。この謎の足跡は、翌年アルゼンチンのサルタ州でも同様のものが発見されたという。その当時の現地住民の証言によると、山脈の方から毎晩不気味な鳴き声のようなものが聞こえており、地域住民も恐怖におののいたという。
2000年代に入ってもこの謎の獣人の目撃は報告されており、2003年にはサルタ州にあるロサリオ・デ・ラ・フロンテラにて、夜の狩りに出ていた猟師2人が人間の姿に似た大男を目撃した。その地の農場では、過去3度にわたって獣人の襲撃があり、猟師が銃で威嚇し追い払ったこともあったそうだ。その間、飼っていた牛も数頭犠牲となり、牧場は手放されてしまったという。
ウクマールの正体については、いくつかの見解が存在している。かつて現地では、ある猟師とそのおいがウクマールの子供を射殺し、その頭部と毛皮を保管したとのニュースもあったが、調査の結果、北アルゼンチンに生息するオマキザルであるとの判定が下されている。
中にはゴリラではないかという推測もある。ウクマールは人間のような顔つきをしており、斜面や岩の上を速いスピードで動き回ることができ、木にも登れるとの証言がある。こうした点では、ゴリラとも特徴が似通う部分があるのは確かであるが、アルゼンチンに野生のゴリラが生息していないことから、信ぴょう性は疑わしいと見られている。
最も有力なのはクマだ。南米には、メガネグマというクマが1種のみ生息している。昨今では密漁や森林伐採などの影響に伴い、アルゼンチンからとっくの昔に姿を消したとも言われているが、他の地に生息していたメガネグマが、年月を経て元の狩り場に戻ってきたのではないかと考えられており、それがウクマールとして報告されているのではないかというのだ。
現在のところ、メガネグマがアルゼンチンに戻ってきたという確証は得られていないが、UMAの正体に最も近い存在としての期待があるのは確かだろう。











