新日本プロレス来年1月4日東京ドーム大会でG1クライマックス覇者・内藤哲也(41)とのV5戦に臨むIWGP世界ヘビー級王者SANADA(35)が、沈黙の真意を明かした。ノーコメントの連発によって苦言を呈され続けたが、最後まで挑戦者のペースには乗らず。その裏には、内藤がつくり出した〝トレンド〟への警鐘が込められている。

 年内最終興行となった22日の後楽園大会で、SANADAは内藤と6人タッグマッチで前哨対決した。チームが勝利を収めると挑戦者から「来年の抱負、ドームに向けた意気込みを語ってくれよ」とマイクで挑発されたが「申し訳ないですけど、勝ったのはJ5Gなので帰ってもらっていいですか」と一蹴。バックステージも無言で通過した。

 対戦決定以降、内藤から執ように〝発信力不足〟を指摘されてきたが、最後まで寡黙な態度を貫いた。大会後に取材に応じたSANADAは「わざとしゃべってないんじゃなくて、素でいたいんですよ。しゃべりたい時にしゃべるし、相手のレールには乗りたくない。内藤さんのスタンスは一つの成功例ではあるけど、みんながみんなしゃべってそのトレンドに乗っかったらレスラーの個性が消えてしまうのかなと」と胸中を明かした。

 歯に衣着せぬ発言でファンの支持を集めてきた内藤は、今やプロレス界で別格の存在感を放っている。今年は武藤敬司の引退試合、G1制覇と大舞台で輝き「プロレス大賞」MVPをかっさらった。

 団体最高峰王者にもかかわらず後塵を拝したSANADAは「屈辱ですよね。でも、この悔しい思いをしないと、うれしいことも起きない。そういう人を倒すことはやりがいはありますよね」と認めつつも、持論を展開する。

「発信力とか存在感、すごく大事なんですけど、じゃあ内藤さんが最後にベルトを巻いたのはいつですか。今年一度もタイトルマッチやってない人間がMVPというのは、プロレス界にとって不健全かなと」。2021年1月以降タイトルから遠ざかっている内藤が業界の顔であり続けていることに疑問を投げかけた。

「ノアの拳王選手も同じような感じで支持を集めてますけど、そろそろ新しいトレンドをつくらないと、プロレス界に先はないんじゃないかなと。内藤さんより発信力があるレスラーが出てくるのを待つより、全然違う方向から超えて新しいトレンドをつくる必要があると思うんですよ。だからまずはドームで勝って、流れを変えないといけないと思ってます」

 今の時代のレスラーには「言葉」が不可欠とされるが、その評価が過度なものになっているというのがSANADAの投げかけるアンチテーゼ。東京ドームのリングで、革命の第一歩を踏み出せるのか――。