【昭和~平成スター列伝】50回目の節目を迎えた東京スポーツ新聞社制定「2023年度プロレス大賞」最優秀タッグ賞は、新日本プロレスのIWGPタッグ王者で「毘沙門」の後藤洋央紀、YOSHI―HASHI組が初受賞した。6月にはIWGP&STRONG無差別級のタッグ2冠王者に輝き、暮れの「ワールドタッグリーグ」では史上初の3連覇を達成。タッグチームとしての完成度は他の追随を許さなかった。

柴田がギャローズを押さえ、後藤がラリアートを決める。魂の連係だった
柴田がギャローズを押さえ、後藤がラリアートを決める。魂の連係だった

 

 後藤は「キャリア20年にして初めての受賞を大変うれしく思います。パートナーのよっちゃん、そしてファンの皆さまには感謝でいっぱいです。これからも毘沙門の絆でプロレス界を盛り上げていきたいと思います」と感無量の表情で喜びを表現した。

 毘沙門は6月4日大阪城でマーク・デイビス、カイル・フレッチャー組からIWGPタッグ王座を奪取して、現在V2中。2022年と23年の1月4日東京ドーム大会でも同王座を奪取しており、今回が3度目の王座となる。もはや新日本を代表する不動のタッグチームとなったが、後藤が初めて同王座を獲得したのは、15年1月4日の東京ドーム大会。パートナーは高校時代からの盟友・柴田勝頼だった。2人は三重県立桑名工業高レスリング部で出会い、以来プロレスラーを目指して切磋琢磨を重ねてきた。

 柴田は高校卒業後の1998年、後藤は大学卒業後の02年に新日本に入門。柴田は05年に一度、新日本を退団して格闘技路線に進むが、12年8月に復帰。紆余曲折を経て、くしくも後藤が20年目でプロレス大賞を受賞したように、2人も出会ってから20年目でIWGPタッグ王座を獲得した。王者は難攻不落とされたカール・アンダーソン、ドク・ギャローズ組だった。

『これが20年間の結晶だ。後藤と柴田の同級生コンビが、カール・アンダーソン、ドク・ギャローズ組を撃破。念願のIWGPタッグ王座を奪取した。三重県立桑名工業高で出会ってからちょうど20年目の節目。数奇な運命が導いた結果に、激闘を終えた柴田は「高校で部員が少ないレスリング部で夢を見たプロレス少年がベルトを手に入れた。こんなことってあるんですね…」と信じられない表情。後藤も「こうなるべくして俺らは出会った」と声を上ずらせた。鉄の連係だった。アンダーソンを息の合ったコンビネーションで撃退し、標的をギャローズに絞る。勝負を決めたのは柴田だ。後藤が抱え落としたギャローズを思い切り蹴り上げる。すかさず走り込んでのPK一閃で3カウント。意外にもレスラー人生で初のベルトとなった柴田は「3年前から(再び新日本に)上がるようになって、ベルトって結構力があるんだなと思いました」と語った。出会い、別れ、そして再会。紆余曲折を経たからこそ、深まった絆が最大の武器となった』(抜粋)

 2月のリマッチで敗れて翌年には後藤がCHAOSに加入したため、別の道を歩むようになったが、値千金の戴冠劇だった。その後、柴田は17年4月両国でオカダ・カズチカのIWGPヘビー級王座に挑むも、急性硬膜下血腫の重傷を負って長期欠場。だが22年1月4日東京ドームで奇跡の復活を果たし、現在は米国を中心に活躍している。

 4月23日三重・津の後藤の20周年記念大会には柴田がサプライズ登場して盟友を祝福。「またいつかどこかのタイミングで、リングの上で向かい合えることを楽しみにしています」と泣かせるメッセージを送った。
 毘沙門の天下は当分続きそうだが、魂と魂で結ばれた2人がリング上で向かい合う夢は持ち続けていたい。 (敬称略)