38年ぶりとなる日本一を達成した岡田彰布監督(66)率いる阪神が南国のハワイでV旅行を満喫している。しばしの骨休めとなるが、球団史上初となる連覇がかかる来季の見通しはどうか。本紙評論家の伊勢孝夫氏も「あと2、3年は阪神の時代が続くだろう」と予想する一方で「好事魔多し」の言葉もある通り、思わぬ〝落とし穴〟にハマり込む危険性も指摘した――。

【新IDアナライザー・伊勢孝夫】阪神は今秋のドラフト会議で即戦力投手を複数人指名し、中継ぎ候補の助っ人右腕、ハービー・ゲラ投手(28=前レイズ)も獲得。だが、それ以上に大きかったのは減俸の条件をのませた上でノイジーを残留させることに成功した点だろう。今季は打率2割4分、9本塁打、56打点と見栄えしない成績に終わってしまったが、守備面の貢献も大きい選手。ハイレベルな日本球界の投手陣にも慣れた来季なら15~20本塁打程度は期待できるのではないだろうか。

 今季はつなぎの3番打者として開幕を迎えたこともあり、逆方向へ当てにいく意識ばかりが目立っていた。来季はいい意味でもう少し、わがままな打撃をノイジーには期待したい。前川、井上ら外野のレギュラーを狙う若手たちの〝壁〟にもなってくれるはずだ。

 投手力は言うまでもなく、12球団屈指の陣容。岡田監督の安定感あるマネジメント能力も加味すれば、阪神のリーグ連覇は鉄板と考えていいだろう。危惧すべきはやはり、主力打者陣の故障による戦線離脱だ。

 来季のセ5の球団バッテリーは「阪神を止めろ」を合言葉に向かってくる。最大の脅威は近本、中野の1、2番コンビ。彼らの出塁を食い止めるため、これまで以上に内角を厳しく突いた投球を仕掛けてくる可能性も高い。

 今季も近本は7月2日の巨人戦(東京ドーム)で、高梨から死球を受け、右ろっ骨を骨折。3週間の戦線離脱を余儀なくされた。左投手相手でもしっかり踏み込んで打ちにいく打者だけに、危険な球を避けるのが難しいタイプ。キーマンの離脱で、打線全体が悪循環の流れにハマってしまうと少々厄介なことになるだろう。

 逆を言えば〝阪神崩壊〟のシナリオはこの程度しか思い浮かばないということだ。それほどまでに現在のチーム力はリーグ内で突出している。(本紙評論家)