全日本プロレスの暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」最終公式戦(6日、東京・後楽園ホール)で、3冠ヘビー級王座を保持する中嶋勝彦(35)と大森北斗(28)組が「ビジネスタッグ」こと宮原健斗、青柳優馬組を下し、初優勝を果たした。

 開幕前に「俺は一人だ」と異例の単独エントリーを宣言した中嶋だが、北斗とのタッグ出場を全日本から一方的に発表され激怒。開幕直後はゴング前に中嶋が北斗を足蹴にしてリング下に落とすなど、完全な不仲状態だった。それでも開幕5連勝で首位を独走し、徐々に関係に改善が見られた。

 そこからまさかの3連敗。首位ながら諏訪魔、鈴木秀樹組と斉藤ブラザーズ(ジュン&レイ)に並ばれてしまった。これを受けて試合前日の5日夜、北斗からのラブコールを受けた中嶋は、上野公園で初の合同練習を敢行。優勝に意欲を見せた。

 迎えたこの日、首位タイだった諏訪魔&鈴木と斉藤ブラザーズがそれぞれ最終戦で敗れ、優勝戦線から脱落。中嶋組は勝つか引き分けで優勝し、敗れればビジネスタッグに逆転Vを譲るという状況でゴングが鳴らされた。

 試合は中嶋が、大みそか(東京・国立代々木競技場第二体育館大会)の3冠戦を控える宮原と激しくやりあった。健介オフィス、ダイヤモンドリング時代の後輩ながらも〝犬猿〟状態の宮原からは、ともに試合権利のない状態で場外戦に持ち込まれ、頭突きやエプロンでのパイルドライバーなどを仕掛けられる。しかし、直後に強烈なヒジを叩き込み、コーナーでも踏みつけるなど徹底的に応戦した。

 その後も中嶋が蹴りで攻め込めば、宮原からブラックアウト(ヒザ蹴り)を返すなど一進一退。すると、ここで奮起したのがパートナーの北斗だ。青柳と一騎打ちの状態が続き、苦しい展開もあったが、根性で耐え抜いて徐々にペースをつかむ。最後は飛龍原爆固めから無双一閃(変型バスター)で、青柳から3カウントを奪った。

 完勝で優勝をもぎ取った北斗は「ついにやったぞ!」と号泣。中嶋も「よくやったな」とほめたたえる。さらに「全日本プロレスの若手はどの団体よりも素晴らしい。ただ、俺は外敵だ。現3冠王者のこの闘魂スタイルの中嶋勝彦にかみついてかみついて、首をかき切ってみろ!」とニヤリ。

 横のパートナーにも視線を送ると「北斗、お前もだ! 最強のチャレンジャーとしてこのベルトの位置まで来れるなら来てみろ!」と言い放ち、祝福のビンタを送った。その後、北斗からは「世界タッグを取りに行きたいと思います」と中嶋とのコンビでタッグ王座取りにも照準を合わせる言葉も飛び出した。

 一方、敗れた青柳は「大将! 正直すまんかった。ポカした」と痛恨の表情。それでも宮原は「フリーになってどんな目をしたレスラーになっているかとちょっとワクワクしていたが、俺の知っている中嶋勝彦だったな。大みそかにまた一つ借りができた。この俺がキャリアを注いできた3冠ベルトをかけて勝負だ」と大みそかのリベンジを宣言。

 さらに「かつて俺たちがセコンドについて師匠が巻いたベルトだな。まさかそんな時が来るとはな…」と表情を固くしていた。