3年連続のV逸を喫したソフトバンクが今オフも大補強を敢行中だ。すでに巨人からアダム・ウォーカー外野手(32)をトレード加入させ、西武からFA宣言した山川穂高内野手(31)の獲得へ動き出している。戦力補強と表裏一体の懸案が、現有戦力のモチベーションをどう維持するか。小久保裕紀監督(52)の巧みな手腕が注目されている。
17日の秋季キャンプ打ち上げを前に、小久保監督が16日に〝熱投〟を披露した。特打を志願した川瀬晃内野手(26)を相手に実に1時間近くも打撃投手役を務めた。
今季の川瀬は打率2割3分6厘、0本塁打、15打点の成績。つなぎの打者として自己最多の102試合に出場した。指揮官は「以前は俺の外の真っすぐでファウル打ってたけど、成長しているなと思いました」と目を細めた。その陰では、キャンプ序盤で心に刺さるメッセージも送っていた。
川瀬によると「打線の中で自己犠牲に徹することができるプレーヤーがいないと勝てない。そういうことをできるのはお前しかいないから。忘れないようにしてほしい」と声をかけられたという。これには目を輝かせて「自分が貫いてきたバントや小技を評価して言葉にしてもらったのは初めてだった。ホークスの打順の中に入っていくには打たないといけない、チャンスに強い打撃をしないといけないと思っていたけど、やってきたことは間違いじゃなかったと思った」と感謝を口にする。
実はこうした気遣いの声かけこそが大補強には欠かせないという。球団は交換トレードでウォーカー、さらに山川の獲得へ動いている。プロの世界だけに自らが乗り越えなければならないのは事実だが、レギュラーを狙う現有戦力組からすれば複雑な思いが芽生えても無理もないところ。ただ、大砲が並べば勝てるわけではない。実際に川瀬のようなタイプこそ必要な戦力だ。
そんななかで届けられた指揮官直々の熱いメッセージ。「二軍監督の時もそうだったが、選手にとってすごく響く言葉をかけられている」(球団関係者)。ユーティリティープレーヤーとして貴重な谷川原についても「便利屋で終わらすのはかわいそう」と捕手だけで勝負させる方針を打ち出すなど、主力以下のモチベーションもしっかりと高めている。












