米AEWの世界的スーパースター、クリス・ジェリコ(52)が約3年10か月ぶりに来日する。12日のDDT東京・両国国技館大会で一騎打ちする竹下幸之介(28)は、今夏に加入したAEWの極悪ユニット「ドン・キャリス・ファミリー」の一員として暴れ回る因縁の相手。なぜ、日本での対戦を希望したのか? そして闘病生活を乗り越えたWAR時代の師匠、天龍源一郎(73)への思いとは。現地からオンラインで取材に応じ心境を激白した。

 ――2020年1月以来の来日だ

 ジェリコ 1991年10月に大仁田(厚)さんのFMWに来日して以来、もう20年以上日本に何度も通っている。世界中の大きな会場で試合をしてきたけど、日本でプロレスをするのが一番好きなんだ。日本は竹下のホームだけど、俺にとっても第2の故郷。故冬木(弘道)さんには観客を魅了する方法を習ったり、天龍さんには相手をボコボコにすることを学んだ場所。一人の男として成長できたのが日本なんだ。

 ――今回来日を決めた理由は

 ジェリコ 2018年から20年に新日本プロレスに参戦するために日本に戻った時、ケニー・オメガ、内藤(哲也)、棚橋(弘至)と毎回メインイベント級の試合が組まれ、自分の日本におけるネームバリューが上がったと感じて、ものすごく誇らしかった。ただ、その勢いがコロナですべて止められてしまった。

 ――今年に入り、日米間の動きがスタートした

 ジェリコ 間が空いてしまったから、次に日本に戻る時には、ものすごく大きなインパクトのあることをしたかったんだ。だから今回、両国という大きな舞台で竹下と初めてのシングルマッチをすることは、ちょうどいい機会だなと。両国はWARやWWEでも立ったすごく大好きな素晴らしい会場。そんな会場でできるDDTは勢いがあるね。

両国でジェリコと対戦する竹下幸之介(左)
両国でジェリコと対戦する竹下幸之介(左)

 ――竹下の印象は

 ジェリコ 体も大きいし、見た目もいい。動きも非常に軽やかで、オカダ・カズチカを思い起こさせるようなレスラーだと最初から思ってたよ。特に正式にAEWと契約してからは、ビッグネームと対戦するようになって、彼の素晴らしさがより発揮されてる。竹下は今、世界で最高のレスラーの一人かもしれないけど、俺は今だけじゃなくてこれまでの歴史を通して最高のレスラーの一人。モハメド・アリ対ジョー・フレージャーみたいな世紀のビッグマッチになると俺は思っているよ。

 ――竹下はジェリコ選手の必殺技「ウォール・オブ・ジェリコ」を使う

 ジェリコ 彼が使うということは、日本において俺の影響力があるということを示してる。今回の試合でどちらのウォールが強いかがわかるだろう。違いを見せてやる。歴代日本に来ている外国人選手の中でも、俺がベストだと自覚している。俺はカタカナだって読めるし、天龍、オカダ、蝶野(正洋)、武藤(敬司)、棚橋、内藤、獣神サンダー・ライガーとも対戦してきて、ほとんど勝ってきた。今回も勝って、彼に教育を施してやる。

 ――今後のAEWは

 ジェリコ 団体自身の成長と、どれだけのインパクトを残せるかに重きを置いている。そのために世界中から最高のレスラーを集めてるんだ。成長という意味では、この前も英ロンドンのウェンブリースタジアムで8万1000人を集めた。国外への進出も念頭にあるから、AEWが日本に来ることも自然な流れだと思っている。DDTであったり、新日本に対してAEWが襲撃を仕掛けるようなことが今後起こるんじゃないか。そのために若いレスラーの育成や、ファンに新しいものを見せていくことを戦略上重視してるんだ。

冬木軍として天龍(左)と対峙するライオン道ことジェリコ(1995年)
冬木軍として天龍(左)と対峙するライオン道ことジェリコ(1995年)

 ――天龍への思いは

 ジェリコ レスラーとしても、ボスとしても非常に素晴らしい方だった。楽しい記憶もいっぱいあるし、日本にいたいと思わせてくれた。当時23歳の若造だった自分にウルティモ・ドラゴンさん、冬木さん、邪道さん、外道さん、安良岡(裕二)さん、折原(昌夫)さんなど素晴らしい方々と試合を組んでくれ、俺のキャリアに大きなインパクトとチャンスを与えてくれた。とても感謝している。彼に対してたくさんの愛情と、多大なるリスペクトしかない。もし可能であれば、今回の来日で直接会って、あいさつをさせてもらいたい。