オリックスは28日の日本シリーズ第1戦(京セラドーム大阪)で、阪神に0―8の完敗。先発・山本由伸投手(25)が6回途中7失点で降板したのが大誤算となった。日本球界を代表する大エースはなぜ阪神打線に打ち込まれたのか。本紙評論家の伊原春樹氏はカーブの制球が定まらなかったことが大きなポイントになったと見ている。

【新鬼の手帳・伊原春樹】エース・山本が6回途中10安打7失点でKO。オリックスにとって苦しいシリーズのスタートとなった。

 この日の山本はカーブの制球が定まらなかった。普段ならカーブでカウントを整えるのだが、ストライクが取れないから捕手の若月も困ってストレートとフォーク中心の組み立てになる。1巡目ならそれでも何とか抑えることができたが、2巡目以降はフォークを見切られ、ストレートを狙われた。

 さらに阪神ベンチは山本をよく研究していた。5回先頭の佐藤輝が中前打。続くノイジーの初球にスチールを許した。山本としては、まさか佐藤輝がいきなり走ってくるとは思っていなかっただろう。動揺して一死三塁となったところで、渡辺諒に初球155キロを狙い打たれた。速い球に強い渡辺に対して第1打席は全て変化球で3球三振に仕留めているだけに、ここは変化球から入るべきだったと思う。その後、木浪、近本にも若いカウントからストレートを打たれて失点したが、いつものようにカーブをもっと使えていれば、結果も違っていたはずだ。

 オリックスとしては絶対的な信頼を置いている山本が打ち込まれたショックは大きい。阪神先発・村上にあれだけの投球をされたら打ち崩すのは難しいと、切り替えていくしかないだろう。佐藤輝のスチールのように阪神ベンチは相当研究してきている。2戦目以降、オリックスもスキを見せない野球ができるかどうかが、シリーズの流れを決めることになりそうだ。(本紙専属評論家)