先日、パーティ会場で「あ、お久しぶりです!」とにこやかに挨拶をされ、「ご無沙汰しております」と調子よく返したものの、誰なのかがさっぱりわからなかった。こんなことはざら。それどころか、昨日、名刺交換した人でも、名前が出てこないなんてことも少なくない。特に二日酔いの後は、物忘れがひどいような気がする。

「もしや二日酔いが脳にまで影響しているのだろうか?」と思い、親しいドクターに聞いてみると「大いに関係ある」という。マウスに大量のアルコールを1日投与したところ、脳細胞に含まれる水分が、何と60%も消失したという報告があるのだそう。二日酔いの時、脱水が原因で、やたら喉が渇くのは体感としてわかっているが、まさか脳も同じように脱水状態になっていたなんて!

 また、脳をアルコールに漬けた実験においても脳の萎縮が認められ、特に理性を司る前頭葉の縮み方が顕著という報告もある。ドクターによると、「二日酔いによる一時的な脱水であれば、そう気にしなくていいが、大量飲酒を日常的に続けると脳萎縮につながる可能性がある」とのこと。脳が萎縮すると判断力が鈍り、記憶力も低下してしまう。これは何としても予防したい。

 言うまでもなく、根本的な予防は酒量を減らすことだが、それがなかなかできないのが酒飲みの性。無理なく、すぐ実践する方法としては、「酒と一緒に水を飲む」ことが挙がる。「え、そんなんでいいの?」と思われそうだがいいのだ。アルコールの利尿作用によって体外に排出される水分を事前に補っておけば、脱水症状はだいぶ緩和される。できれば飲んだ後、電解質を含むスポーツドリンクを飲んでおくとなお良し。最近の研究で「酒量を大幅に減らすと萎縮した脳が元に戻る」という結果も出ている。だからといって安心はできないが、そう怖がり過ぎる必要もないようだ。

水やスポーツドリンクは強い味方
水やスポーツドリンクは強い味方

 そうそう、冒頭の一件だが、結局、最後まで挨拶してくれた人の名前がわからなかった。それを悟られまいと、最後まで適当に話を合わせていた私。どうかその人が、この記事を読みませんように。