二日酔いを解消するため、スポーツで汗をかいて酒を抜く。ウソのようだが、私の周囲にはそうしたツワモノがいる。その多くは東京マラソンをはじめ、地方のマラソン大会に参加するスポーツマン。聞くところによると、じっとしているより、走って汗をかいたほうが早く酒が抜けるのだという。確かに体感的にはわからないことはない。私もホットヨガで汗をかいたほうがスッキリする。だが、医学的にはどうなのだろう? 危険ではないのだろうか?

 医学的見地からすると、二日酔い時にスポーツをするのは禁忌だという。というのは二日酔いで既に脱水状態になっているところに、スポーツで汗をかくと、より脱水が促進されてしまうからだ。また、酒が早く抜けるどころか、アルコール分解が遅れる可能性も否めない。何故なら、スポーツをすることによって、分解に必要となる血液が筋肉や皮膚へ分散してしまうためである。さらにスポーツすることで心拍数が上がり、心臓への負担もアップしてしまう。心疾患を不安視する人にとっては、危険な行為でしかない。

 忘れてはならないのは、アルコールを分解するのは、「あくまでも肝臓」だということ。汗や尿で排出されるアルコールは全体の10%でしかない。スポーツをしようが、サウナで汗を大量にかこうが、それは悪あがきでしかない。効率的に肝臓に働いてもらうには、安静が一番。そして、肝臓の栄養源となる水やビタミンC、ビタミンB群、アミノ酸を摂取することだ。また二日酔い特有の低血糖から起こる不快感やだるさを解消したいなら、米や麺をはじめとする糖質を食べるといい。糖分と水分を同時に摂れるオレンジジュースもおすすめしたい。

 二日酔いの時のカラダは、既に傷めつけられた状態。そんな時、さらに激しいスポーツでカラダを酷使すれば、肝臓だってヘソを曲げてストを起こしかねない。抗うことなく、時が経ち、酒が自然に抜けるのをじっと待つ。これこそが二日酔いの特効薬なのだ。