世界の舞台で戦えるのか。2024年パリ五輪代表選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が15日、東京・国立競技場発着で開催された。女子は東京五輪8位入賞の一山麻緒(26=資生堂)が2時間24分43秒で2位に入り、2時間24分9秒で優勝した鈴木優花(24=第一生命)とともに五輪切符を獲得。一山のワコール時代の先輩にあたる五輪4大会出場の福士加代子氏(41)は後輩の積極性な姿勢を評価する一方で、世界の強豪に挑む上でのポイントを指摘した。
中盤のギアチェンジが、パリへのチケットを引き寄せた。先頭集団に有力選手が連なる中、一山が23キロ過ぎに勝負を仕掛けた。「予定よりも早く前に出たけど、自分のリズムで行きたいと思った」。一時は独走態勢に入ったが、脚への疲労もあり38キロ過ぎで鈴木優にトップの座を譲った。
それでも、五輪代表圏内の2位を死守した一山は「切符を取れてホッとした気持ち。(終盤の)カウントダウンに入ってからは1キロ進むごとに、あまり差がないと分かっていたので、ドキドキしながら走っていた」と安堵の表情を浮かべた。
大一番で自らレースをつくったスタイルには、多くの陸上関係者が太鼓判を押す。福士氏も「思い切って行く踏ん切りの良さは、彼女自身の日ごろの練習の強さが出ていると思う。最後にタイムを見ずに自分の中で(ペースを)押す練習もしているので、パッと出た時や最後の我慢強さ、粘り強さを出せたのでは」と分析した。
一山は昨年12月に肋骨を疲労骨折。今年3月の東京マラソンは日本人7番手の14位に沈んだ。「自信もない時期が続いて、MGCもイメージできなかった」と振り返りながらも、大事なレースできっちり結果を残した。福士氏は「体をつくっていく中で、こうやったら壊れたけど、またつくって練習を重ねていくという過程において、ハーフマラソンも走っているし、勝負強さとかも出ている。全部プラスになっている」と本人の努力と進化を指摘した。
かつては日本の〝お家芸〟だったマラソンも、近年は苦戦続き。9月のベルリン・マラソンではティギスト・アセファ(エチオピア)が2時間11分53秒の世界新記録をマークするなど、トップとは差が広がっている。一山ら日本勢が世界基準で戦うためには、アグレッシブさが不可欠。福士氏は「今日のような勝負をたくさん経験してほしい。マラソンはなかなかできなくても、ハーフマラソンとかでMGCのようなレースをしていけば、より勝負強さは出てくると思う」と力説した。
一山は「東京よりも思い切った走りをして、8番より良い順位で走れるように頑張りたい」と気合十分。2度目の大舞台では、さらなる飛躍を目指す。












