日本時間8日午後8時のキックオフが迫るラグビーW杯、日本対アルゼンチン戦。フランス大会1次リーグD組であと1枠となった決勝トーナメント進出がかかる大一番で、ついにW杯デビューを飾るWTBシオサイア・フィフィタ(24=トヨタ)は昨年、フランス相手にサインプレーで鮮やかなトライを決めていた。

 接戦の末、17―35で敗れたアウェーでのフランス戦。10―28で迎えた後半23分、日本は相手ゴールまで5メートルの左サイドのラインアウトで仕掛けた。ジャンパーが列の中央でキャッチし、密集が形成される。その左をおとりランナーが駆け抜け、ボールは密集右に走り込んだスロワーのHO坂手へ。坂手は相手守備選手を中央寄りに引きつけると、外側の左サイドに来たフィフィタにパス。空いたスペースをフィフィタがインゴールへ駆け抜けた。

 当時、主将だった坂手は「自分たちのやってきたプレーを出せた部分もありましたし」と試合全体を振り返り、フィフィタは「後半はいいところもあったと思います」と語っている。攻撃担当トニー・ブラウン・コーチ仕込みとみられるスペシャルプレーの遂行は、2人のコメントに当てはまるに違いない。

 同じトライはW杯前最後の試合となった8月のイタリア戦でも決まっている。この時はスロワーがHO堀江で、同じ形からWTBナイカブラがトライ。堀江は体をひねりながら背後のナイカブラにボールを放った。ナイカブラは2人のタックルを受けたが、フィフィタは体にまったく触れさせないほど鮮やかなフィニッシュだった。

 激しい圧力が予想されるアルゼンチンの守り。ナイカブラ(177センチ、95キロ)より大きいフィフィタ(187センチ、105キロ)にスペシャルトライの再現が期待される。