東京女子プロレスで活躍する「SKE48」荒井優希(25)が、11月に現役を引退する姉貴分・赤井沙希(36)を〝踏み台〟にする。

 18日の名古屋大会で2人のタッグ「令和のAA砲」でのラストマッチを終えた荒井は「最初で最後のシングルマッチお願いします」と希望。10月27日後楽園ホール大会での一騎打ちが決まった。

 赤井は11月12日のDDT東京・両国国技館大会で引退試合を行うため、試合で絡むのはこれが最後となる。荒井は「やっぱり一緒にリングに立てなくなると思うと寂しくて。セコンドから『優希ちゃん!』って呼んでくれる声も聞けなくなるんですよね…。赤井さんは私にとって初めてのタッグパートナーだから『私を置いていくの?』っていう気持ちです」と語り、目に涙を浮かべた。

 2022年4月にAA砲を結成してから、21年5月デビューの荒井は飛躍的に成長を遂げた。3か月後には初タイトルとなるプリンセスタッグ王座を初戴冠。9月には初の国際試合を制し、12月には他団体選手(安納サオリ&川畑梨瑚)との初遭遇を果たした。

 常に隣にいたのが赤井だったからこそ「これまでいろんな景色を見せてもらって、言葉でもいろんなことを教えてもらいました。だから恩返ししたいんです」と語気を強める。

 もちろん、記念試合にするつもりはない。「本気の赤井さんに勝てなかったことを後から絶対後悔したくないので、赤井さんの歴史や厳しさを私に叩きこんでほしいです。そして強い自分を見せた上で勝って、赤井さんを安心させます」

 しかも引退を控えた身にもかかわらず、赤井はKO―D6人タッグ&全日本プロレスTV認定6人タッグの2冠王者で、24日の後楽園大会ではKO―D無差別級王者クリス・ブルックスに挑戦する。第一線で活躍する選手だからこそ、荒井にとっては千載一遇のチャンスとなる。

「赤井さんに勝ったら私、超すごいですよね。プリンセス王座に挑戦してもいいですよね? そうしたら赤井さんも安心だ!」。その目は本気だ。