その若鷹は、確かに意地を見せた――。パ・リーグ3位のソフトバンクは17日の日本ハム戦(エスコン)に1―6の完敗。2位ロッテ、4位楽天とCS圏内を争う中で痛恨の3連敗。体調不良による主力の大量離脱で厳しい戦況が続いている。
戦力ダウンが大きく響き、最下位相手に完全な力負け。そんな中で小さな光があった。それは「6番・右翼」で先発出場した増田珠内野手(24)の価値ある4打席。前日16日の同戦でもスタメン出場しながら見逃し三振、空振り三振に倒れ、途中で退いていた若鷹は気持ちが入っていた。「めちゃくちゃ悔しかった」。経験の浅い選手が勝敗の責任を負う必要はないが、チームの緊急事態だからこそ「前を向かせる存在」になりたかった。
16日の試合後、長谷川勇也打撃コーチは増田を含めた若手にあえて苦言を呈していた。「(離脱した主力の)代わりに出た選手が一つも出塁できずに終わった。巡ってきたチャンスをモノにするということを心の底から思っていたのか。ちょっと疑ってしまう結果だった」。
厳しい言葉を投げかけられた意図、真意を増田は理解していた。真価が問われる試合で、2つの死球、8球粘っての四球で3出塁。第4打席では相手の好守に阻まれたが、痛烈な左翼ライナーを放つ内容ある打撃だった。試合後「(長谷川コーチからは)今日の最後の打席を昨日の1打席目から出せるようにと、試合後に声をかけてもらった。『6打席かかってるぞ!』とも言ってもらった」。前夜の喝から試合後の叱咤激励まで、思いはしっかりと伝わっていた。
死球の痛みに耐えて一塁に向かう際も、攻守交代や味方の凡退時などいつにも増して全力疾走、全力プレーを徹底していた。「自分で〝増田珠〟という選手をつくっていくことが大事だと思っています」。苦境や窮地でこそ、選手の真価が問われる。次世代の主力となるべく、気概を示した試合だった。












