もう一つ、殻を破ろうとしている。パ・リーグ3位のソフトバンクは12日から5位・西武との3連戦(ベルーナ)に臨む。残り20試合で2位・ロッテ、4位・楽天とはそれぞれ1・5ゲーム差。現実目標の2位確保へ負けられない戦いが続く。現在チームは3カード連続で初戦黒星とあって、取りこぼしが許されない先陣を任されるのは、4週連続で火曜の先発となるカーター・スチュワート(23)だ。

 11日にペイペイドームで行われた投手練習を見守った斎藤コーチは「やっぱり頭は取りたい。それを期待して頭に持ってきている」と必勝の思いを託した上で「いい時も悪い時もあった中で、自分のピッチングの型を少しずつ理解してきている。ただ、それを結果として出さないと意味がない。そこにこだわってほしい」とメッセージを送った。スチュワートは前回5日のロッテ戦で制球に苦しみ4回3失点と精彩を欠いた。それでも今季は一軍昇格した6月から10試合に先発して、ここまで3勝、防御率2・91と爪痕を残している。

 今、チームから求められているのは、悪いなりにも勝つ投球だ。その自覚は本人にもある。「中6日で回る以上、必ずしも自分の状態がいいわけではない。そういう中で体も精神的にも慣れている状況。(投げない)6日間の過ごし方も経験だと思っている」と力説する。

 ただ漠然と慣れているだけではない。「有原さんが今、自分の翌日(水曜日)に投げている。どういう(6日間の)過ごし方や調整法をしているのかをよく観察し、話をしながらやっている」。日本ハム時代はエースに君臨し、もっかチームトップの7勝をマークする有原航平投手(31)を手本に、登板前の微調整、試合でのアジャスト法を学んでいる。

 チームには「エース不在」という嘆きもある。最速160キロを誇る大器は、今季台頭してきた数少ない若い戦力。ペナント最終盤にカード頭を担っている事実は当初、現場の青写真にはなかったはずだ。ただ、これも巡り合わせ。この秋の「場数」が近い将来、大きくはね返ってくることを鷹陣営は期待している。