NYの常勝軍団が2人の日本人スター右腕にくぎ付けとなっている。10日のオリックス戦(ZOZOマリン)でロッテ・佐々木朗希投手(21)が48日ぶりに復帰登板。前日9日には、同球場でオリックスのエース・山本由伸投手(25)が自身2度目のノーヒットノーランを達成した。今春WBCでも活躍した若侍コンビにバックネット裏から連日にわたって熱い視線を送ったのが、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(56)だ。編成トップ自らが異例の来日を果たした狙いは――。
収穫十分の視察となった。ヤンキースのキャッシュマンGMが10日のロッテ対オリックス戦を生観戦。左脇腹の肉離れから復帰したロッテ・佐々木朗に目を光らせた。
佐々木朗は3回45球を投げ、2安打1失点。当初の予定通りに50球前後の登板となったが、初回に最速161キロをマークするなど復調を印象付けた。それまでネット裏で見つめていた同GMは佐々木朗の降板を確認すると席を立ち、球場を後にした。
キャッシュマンGMは前日9日も来場しており、カード2戦目で先発したオリックス・山本もチェック。約30人のMLB他球団スカウトも集結するなか、2年連続のノーヒットノーランを達成した山本の快挙を見届けた。試合後は山本を「素晴らしい」と大絶賛し、興奮を隠し切れなかった。
まだMLBのレギュラーシーズンが行われている9月上旬に球団GMがチームを離れ、来日するケースは異例中の異例。その背景には切実なヤンキースの窮状がある。
9日現在(現地時間)、ヤンキースは借金2でア・リーグ東地区最下位。このままポストシーズン進出を果たせず終戦を迎えれば、2016年以来7年ぶりの屈辱だ。地元のNYメディアから猛烈なバッシングを受けるなど常勝軍団は危機的状況に追い込まれている。
その救世主としてヤンキース側が白羽の矢を立てているのが、今オフのポスティングシステムによるMLB移籍が濃厚視されている山本だ。MLB関係者は「ヤンキースがヤマモトの獲得に動くのは明白。キャッシュマンGM自らがヤマモトの登板予定日に合わせ、日本に直接行ったことが何よりの証明だ。球団はぜいたく税のリスクも恐れることなく、ノーリミットでヤマモトの獲得費用にビッグマネーを費やすつもりだ」と指摘。13年オフに楽天からヤンキース入りした田中将大(現楽天)の7年総額1億5500万ドル(約229億円)を大幅に上回る額を提示する見込みという。
ヤンキース側は今オフ、巨額費用を投じてFAとなるエンゼルス・大谷翔平の獲得にも乗り出すともっぱら。しかしながらMLBスカウト陣の間では「オオタニは西海岸を気に入っており、そもそも東海岸の球団は移籍対象として考えていない」との情報も飛び交っていることから、ヤンキースは早々と諦めモードになっているとの見方がある。前出の関係者は「キャッシュマンGMは獲得困難なオオタニではなく、より現実的なヤマモトに照準を絞っている」。
それだけではない。キャッシュマンGMが生観戦で実戦投球の一部始終をインプットさせたように佐々木朗もヤンキースの〝ネクスト・ターゲット〟。「21歳のササキはルール上で25歳になるまで基本的にメジャー契約ができない。少なくとも来季以降3シーズンはNPBに在籍する見込みだが、ヤンキース側は『24年オフもある』と踏んでいる。実際にオオタニが当時23歳でエンゼルスへ移籍したように数年は格安年俸を覚悟し〝25歳ルール〟を気にせずロッテ側の了承を得て早々と移籍する可能性も考慮し、着々と獲得準備を進めている」(前出の関係者)
09年を最後に世界一から遠ざかっているヤンキース。「帝国崩壊」の危機から脱するため、日本人スター2人の〝ダブル獲得〟に本格着手する。












