【柏原純一「烈眼」】首位・阪神は3連敗でペナントレースのラスト1か月となる9月を迎えたが、何も慌てる必要はない。直接対決7試合を残し、2位・広島とは5・5ゲーム差。残り26試合で勝率5割ペースでも80勝を超えるだけに、岡田監督の話すようにこれまでの戦い方を「普通に」やり切ることができれば、18年ぶりの大願にたどり着くことができるはずだ。
勝負の世界では、よく「追われる者より、追う者のほうが…」と言われているが、レギュラーシーズン後にCSがあることを考えれば、それは当てはまらない。2位以下は、1位が確定しない限りは先々よりも、目の前の試合に全力を傾けなければならないはずだ。逆に阪神は、後続との差を見ながら、ゴールテープを切った後のCSを見据え〝今〟を戦うこともできる。
具体的には、2位・広島、3位・DeNA、4位・巨人といった10月のポストシーズンで戦う可能性があるライバル球団の戦力再分析だ。
DeNAであれば、8月の最後の試合で手痛い3ランを食らった牧(対戦打率3割4分9厘、7本塁打、20打点)や現在抹消中の宮崎(同3割9分7厘、4本塁打、16打点)など、分の悪い数字が並ぶ主力選手への対策の再考。これに関しては現場よりもむしろスコアラー主導で取り組むべき宿題ではある一方、現場の選手たちの肌感覚も必要となるのが広島だ。
春先は不振で二軍再調整も経験した昨年までの守護神で夏場以降、巻き返してきた栗林は「どの程度、復調したのか」といったものや、8月9本塁打、16打点と日本の野球に急激に適応してきたデビッドソンなど、年間成績では測り切れない脅威となる要注意マークの選手らの対策の見直しが必要となってくる。
阪神だけが持つ隠れたアドバンテージは、こういったことに関しても、まだトライ&エラーを繰り返せること。余裕があるからこそ、より戦いの中身には、こだわって頂点に近づいていってもらいたい。
(野球評論家)












